竹で表札が出来ないだろうか?そんなご注文をいただいたがです。半割した孟宗竹に名前や絵柄を彫刻をしたものはありましたが、主に室内用として製作されちょります。表札となると、屋外での使用という事になりますので、耐久性の高い竹の集成材を使う事にしたがです。普段より何倍も厚みのある集成材にレーザーで刻印していきますぞね。
けんど、レーザー刻印と聞くと手彫りではありません。機械で自動で打つイメージがあるのではないですろうか?そして、結構簡単に打てると思われる方も多いかも知れませんが、実は調節が色々あって、強さ、スピードなどを変える事により刻印の入り方の感じが変わってきます。また竹素材そのものにも竹の個性や乾燥具合があり、同じように設定しても濃淡ができて均一には仕上がることはないがです。特に今回の表札のように厚みがあり彫りも深いものやと尚更ぞね。担当の社員が、事前に同じ竹集成材の板を使うて、何枚も何枚も試し彫りをしてみたがですが、どういうものか、やっぱり出来上がりは違うちょりました。
まあ、試行錯誤した甲斐があってか結果としては思うよりも、ずっと綺麗で誰が見ても美しいと言うような表札ができたがぜよ。竹節のある竹ならではの独特の木目がこじゃんとエイし、二回なぞって文字入れしたレーサー刻印のお陰で文字もクッキリ。ご要望を頂いた時には、これだけの完成度は考えよりませんでしたが、これなら今後の定番商品としても使えるかも知れませんちや。
竹細工や竹製品にはウレタン塗装のされたものも多いがです。特にカトラリーや竹箸類は、耐久性や色移りなどの防止があり、ほとんどのものに塗装はされちゅうのが普通ながです。個人的には、せっかくの自然素材のものには、出来るだけ無塗装で出来るものは、素材そのままがエイ。ずっと、そう思いよりますぜよ。
今回の表札も生地に文字刻印したままの無塗装の感じが、なかなか落ち着いた感じで、こじゃんと好きやったがです。竹の素材感というものも良く伝わる出来映えです。しかし、外壁に掛けてご使用される事を考えたから、雨の日もあれば、風の日も、照る日もあるがです。どうしても塗装は必要だろうと思うて塗装をお願いしちょりました。
そしたらどうやろうか、出来上がって来たものを見て軽い衝撃を受けましたぞね。これは塗装ありで、勝負ありちや、まっこと正解やったにゃあ。防水性などの強さがアップした事は、もちろんですけんど、ちっくとビックリするばあ見栄えが何倍も良くなっちゅうぜよ、まっこと。
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