潭陽の竹祭りには韓国々内だけでなくて、海外からも沢山の方から来られちゅうようながです、台湾からも国立大学の先生や大使館の方が来られちょりました。いつだったか台湾の竹製品を拝見する機会がありましたけんど、洗練されたデザインや、ユニークな竹細工が多くあって面白かったがぞね。竹が多い所でもあるようですので何か凄いものがありそうです。
竹虎では1985年から21世紀は竹の時代と言いよりますが、継続利用可能な唯一の天然資源としての竹は、ようやく少しづつではありますが注目を集めだしたのかも知れません。いずれにせよ、竹への関心の高さを思うて嬉しくなりましたぜよ。
さて、竹祭りは竹緑園の美しい竹林を初め、こじゃんと(とても)広い会場です。アチコチと歩き疲れるほど見て回るものがありますが、メイン会場の一つとなる広場に大きな太鼓が設置されているのです。
こちらで日本で言う市長にあたる崔亨植郡長様とお会いさせていただきました。名刺の裏には「World Bamboo Fair Damyang KOREA 2015」来年の世界竹博覧会の会期まで刷り込まれていて、まっこと、竹への意気込みを感じるがです。「どうぞ、一緒に太鼓を叩いてみませんか?」ステージに上げさせてもろうて、ドンドン!ドンドン!こんな大きな音のする太鼓は初めてですけんど気持ちのエイもんです。
叩き終わると、この太鼓を製作されたという竹職人さんが来られました。ええっ?竹...最初は太鼓職人さんでは?と思うたがですが、なんと、この太鼓は本体が竹編みで作られちゅうがです。しかも、焼き目を入れて龍が描かれているのです。さすが半年かけて仕上げた力作ぜよ。
改めて見回すと舞台にある小さな太鼓も竹集成材を使っていたり、竹をゴザ目に編んで作られていたり、これは、竹の楽団と呼んでもエイくらいぞね。控えめに笑う職人さんですけんど、これ凄いですちや。
凄い事は、まだまだ起こりましたぞね。ズラリと並んだテントでは竹細工をはじめ竹に関係する食品の販売や、様々な物販などがあり歩くだけでこじゃんと楽しいがです。小さな子供達に大人気の陶芸体験では実際にロクロを回し、親子で焼き物を作られよります。また、竹網代の団扇にペイントする体験ブースも笑い声でいっぱい。本当に竹という一つのテーマを中心にあたたかい空気に包まれちょります。
そんな中、ある竹細工の職人さんのテントで声を掛けていただきましたぞね。「竹虎さん、いつも見ています!」ええっ!?本当ですか...!?この竹祭りでずっと通訳のお世話をいただく金官錫さんの顔を見直したがです。もしかしたら自分の聞き間違いではないろうか?
けんど、違うちょりました。ここ韓国でも竹職人の皆様が自分達の竹にも注目してくれちゅうとは、まっこと、嬉しゅうて嬉しゅうて涙が出そうでしたちや。虎竹の里におったら感じる事など全くないことですが、インターネットの発信力の大切さを感じますし、日本だけでなくて、世界と繋がる時代になっている事を肌で感じて、いやがおうなく気合いが入るのを覚えるがです。
竹祭りの関係者の皆様、行政の方、竹職人さん、そして国外の招待の方など沢山の方と一緒に集まらせてもらい、主催者側からの歓迎をしていただきました。昼間にお会いさせていただいた地元の竹名人の方の他にも、まだまだ他の工芸作家の方もお越しになられちょります。日本からも竹職人さんがお一人参加されていました。国内の竹にこだわるならば外の竹に目を向けて視点を変える事が、かえって自分達の竹の進む道が見えて来るのではないですろうか。そう思うたら日本から来られちゅうのは大きな意味があるがぞね。
それにしても潭陽の意気込みは、まっこと凄いぜよ。行政の方や推進委員会の方が乗られている車にも、すべて来年の日程入りの統一されたイメージのペイントがされちょりますが、2015年の世界竹博覧会に向けた事務局入り口にも同じ大きな絵が描かれていましたし、階段の手すりも竹、部屋の中に入っても、いたる所に竹細工、役職も大きな半割竹をネームプレート代わりに使うちゅう...。これは、この韓国一の竹の町で想像以上の事が待ちゆうかも知れんがぜよ。
潭陽での竹祭では竹に囲まれ、幸せな気分に包まれちょりました。行政トップの方から役場で働く一人一人まで、そして、民間からの参加やボランティアの皆さんも気さくで楽しそうでした。潭陽の町には「太陽」の「陽」が入っちょりますが、まさに文字通りサンサンと輝く明るい気風を持った、竹のように清々しく気持ちの良い町だとつくづく感じたがです。
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