考えたらもう何十年も前の事になりますちや、竹で美味しい炊き込みご飯を作ると言われるので訪ねて行ったことがあります。あの時は確か竹の節を抜いて、その中にお米や水、それから鳥肉、人参など具材を入れて最後に調味料の醤油を入れました。本体の筒よりちっくと小さめの竹で栓をして、焚き火の上につるして炊きあげたがです。
そう言えば、先日のポーラス竹炭作りの時に竹林で火を燃やしても、青々とした竹は燃える事はないと竹炭職人さんが話されちょりましたが、あの竹炭ご飯を炊いた時にも直火がゴーゴーと当たっても、筒の中に水気が入っている竹は黒く焦げる事はあっても、どれ一つとして燃えるものはなかったがですぞね。あれだけ油分の多い植物やのに思えば不思議なものですちや。
さて、あの時の炊き込みご飯は口から吹き上がると出来上がりやったぞね。頃合いを見計らって、ご主人の方がナタで豪快に半分に割って、そのまま竹を容器にして集まった皆で美味しく頂戴しました。竹の香りがご飯の湯気と一緒にフワ~っと立ち上り、こじゃんと(とても)美味しかった事を今でも覚えちゅうがです。
今回の竹の中身はパンぜよ、もう何度か食する機会をいただいちょります。最初に半割にしちょった竹にタネを入れ、針金で縛りなおして炭火で炙っていくがです。こういう料理のエイところは、出来上がるまでの時間も楽しめる事かにゃあ。
竹に囲まれた竹づくしの中、頂くパンまでも竹で焼かれたもの。竹は一日に一メートル以上も伸びる事もあるような神秘的な成長力があるがぜよ。昔から色々な神事にも重用されてきた理由の一つと思いますけんど、そんな竹パワーを炊き込みご飯にしてもパンにしても丸ごと頂けるようで、まっこと(本当に)元気になるがです。
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