竹籠でこれは格好がエイにゃあと一番強烈に思うたのは、このカーブ。底部分の四隅だけを接地させて後は弓なりの曲線を描いちゅう。これは見た目にも美しいのは言うまでもないですけんど、傷みやすい底部分の接地面がないので、角部分だけ補強しておいたら、他のところには気を回さずとも長く使えるという生活者の知恵から生まれたろうか?いやいや、食器にせよ何にせよ籠の中にいれて毎日使うので、水切れや通気性を一番に考えたのではないですろうか?底が浮き上がるというのはそれだけで乾燥が全く違うてまるがです。
これは、もしかしたらどちらか一つという事ではなく、両方の理由のように思いますが、いずれにせよ底にアーチを作るにせよ、丈夫な力竹を入れてみるにせよ。使う人の声から竹籠が進化してきたというのが良く分る気がするがぞね。そして、昔の作り手はそれぞれの家庭の事情に合わせて、それぞれカスタマイズした竹細工をした方もおられると言うきに、まっこと素晴らしいがです。
来る日も来る日も少しでも早く、少しでも綺麗に、丈夫にと同じものを作り続けて技を極めてきた職人さんもおれば、お客様のあらゆる要望の応えながら技を磨いた職人さんもおるがやにゃあ。
底を丸く編んだ籠を作っている職人さんに、そのままでは少し安定感がないので、置いた時にもっと安定するよう丸竹で足を二本付けてもらえませんろうか?と急にお願いをさせていただくがです。「はい、はい」と二つ返事で足元にあった竹を切り細工を始めたかと思うたら、写真のように磨きをかけた本格的なものではないですが、あれよ、あれよという間に横編みの竹ヒゴにガッチリと固定された立派な足が出来あがったりする魔法みたいな手業を、これからも見続ける事ができるろうかにゃあ。ずっと見られるためにはどうしたらエイがやろうかにゃあ、まっこと竹の世界は退屈せんがですぞね。
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