先週は強力青竹踏み踏王(ふみお)くんのお話をさせていただきました。今日は引き続いて炭化竹を使うた竹踏みの事をお話させてもらいたいがです。炭化竹と言うのは炭化窯という専用の窯で、高温と圧力で蒸し焼き状にする加工方法のことながです。炭化加工すると一種焼きを入れる訳ですきに、青竹本来の清々しい色合いがなくなり、濃い茶色に変色します。これは、これでなかなか渋い風合いで自分は好きながですが、何もこれは色合いの問題で炭化加工するという事ではもちろん無いがです。
青竹踏みは自然の竹をそのまま加工して使います。山から伐りだし自然乾燥、そして機械を使うた乾燥もさせますが、やはり梅雨時など湿気の多い季節にはカビが生える事もあります。また、薬剤処理などしちょりませんので竹を食う虫の問題も発生します。
そこで炭化加工なのです、この加工をしますとカビは生えにくくなりますし、防虫効果もかなり高まります。しかも、炭化加工は熱処理であり薬剤を使うちゅうワケではないので、室内で素足で使う竹踏みには安心な加工方法と言えますちや。
そうこう言いうゆう間に、くすんだ色合いの炭化竹はグラインダーで磨かれて竹肌に艶が出てきましたぜよ。
さて、この炭化竹の竹踏みですけんど、炭化窯から出した後はグラインダーでの加工という事で、実はあまり職人の手業とは関係無いのではないろうか?もしかしたら、そんな風に思われる方もおられるかも知れませんちや。けんど、それは、ちっくと早とちりと言うもんぜよ。もちろん、この機械で加工していく工程にも、竹職人ならではの、こだわりやノウハウがあるがですぞね。それが三段階に変えるベルトながです。まず、炭化加工されたばかりの竹には粗めのグラインダーを当て、それからベルトを交換して中粗で磨き、最後に一番細かい目のベルトにして仕上げ磨きをしよりますちや。
最後に磨き上がった炭化竹はピカピカに光りよりますぜよ。まっこと(本当に)ニスか何か塗料でも塗ったかのように見えますが、これが磨きだけでツヤをだした竹ならではの光沢ながです。竹踏み(炭化竹)は防虫効果やカビに強いだけではなくて、炭化竹ならではの美しさも表現されちゅう、実は、ひと手間もふた手間もかかった逸品ながです。