玉入れ籠の季節に

玉入れ籠


自分の世代やったら運動会の玉入れ競技と言うたら、竹の籠がすぐに頭に浮かんでくるがではないですろうか。近年ではネットなどを使うた新しい玉入れ用具があって、竹製の玉入れ籠は随分と忘れさられちょった時期があったがぜよ。


手業の仕事というものは、一度途切れたら次にやり始める事がこじゃんと難しいものですぞね。ほとんど不可能と言うてもエイくらいやちや。だから何とか、たとえ本当に小さな灯火であったとしても、玉入れ籠の伝統を続かしたいと思いながらきたがです。


竹と日本人はずっと長い間深い繋がりがあって、生活の中に、暮らしの中にいつも当たり前のように竹があったがです。昔の生活には逆戻りはできないと思いますけんど、竹を触った事もないような子供達や学生さんを知る度に、今の暮らしにも竹を感じていただくとしたらせめて運動会のような機会に竹籠と触れ合う事はエイ事ですろう。


玉入れ籠テレビ取材


運動会の玉入れ競技に使われる玉入れ籠などは、例えば背負い籠として、農作物の収穫や家の内外で毎日使われて来た、日本中のどこでも編まれていた代表的な竹編みの一つやろうけんど、昨年は東京からテレビニュースの取材が来らちょりましたので、全国的に見ても作る職人さんは少なくなってだんだんと知らぬ間に珍しい竹細工になってしもうたようですぞね。


元気な子供達に使うて頂けると思うたら、この玉入れ籠をお届けできるだけで自分たちは満足ながぜよ。運動会の季節だけのものではありますけんど、ご高齢の職人さんが多くなる中で少しづつ編み上げてもろうて、少しでも多くの小さな笑顔に出会える籠にしたいと思うちょります。竹職人の方が年齢にしたらビックリする程。若々しい方ばっかりなのは不思議でも何でもなくて、こうやって喜んで使うてくださる日本中の皆様のお陰ながですぞね。


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