虎竹は、まっこと不思議な竹ながぞね、間口が1.5キロ程しかない、この虎竹の里の谷間でしか成育せんがです。成育しないと言うと、ちっくと語弊がありますちや。竹は生命力に満ちあふれた植物ですきに育つのは間違いなく育ちます。けんど、虎のような模様が色づく竹には成らんがです。実は今まで何度か移植を試みた事があるがですが、他の地域では何故か分らないものの虎模様が表れずに、数年経ったら普通の竹になってしもうちゃあるがです。
先日、ある大学の先生にこの虎竹のお話をさせて頂く機会がありました。そしたら、その先生が申されるには、竹にそのような模様がでるのはストレスが一つの原因ではないろうか?そんな風に言われるがです、今まで考えた事もないお話やちや。さすが大学の先生の言われる事は違うにゃあと感心しよりましたが、そう言われたら思い当たる節があるがぜよ。
虎竹の里の山々は岩が多く決して肥よくな土地ではないがです。山道を登って行っきよったら、それは実感しますけんど、道路脇の斜面もゴツゴツした岩ばかり続いちゅう。そして、その硬い岩盤をぬうようにして樹木が根を張っちゅうぜよ。これは竹にとっても、もしかしたら暮らしやすい環境ではないかも?そして、先生の申される、もうひとつの要因が潮風。
実は山の職人さんの中には科学的な根拠があっての事ではなく、自身の長年の経験から潮風が虎模様に関係あるのではないかと昔から言い続けゆう方もおられます。「塩害」という言葉がありますように、植物にとって塩分は成育を阻害する要因ともなるもの。そう考えたら痩せた土地、潮風という厳しい環境が、虎竹に負荷を与え、虎竹を育ててくれゆうがですろうか?
更に、もうひとつ、最近の温暖化で虎竹の里も霜が下りる事がなくなったがぜよ。南国土佐といわれる高知ですけんど自分の小さい頃は、雪合戦できるくらい雪も降ったし、寒い日もありましたちや。そんな厳しい寒さがないために虎竹の色付きが悪くなった、そう言う年配の職人さんもおられます。
大学の先生も寒さも植物への大きなストレスの一つ。そう、言われよったがですぞね。まっこと、いちいち腑に落ちる事ばっかりやにゃあ。厳しい自然が竹に試練をあたえ、それによって虎模様が生まれる。かってはイギリスBBC放送が取材に来られた事もある。日本唯一の虎竹の謎の解明に一歩近づいたような気がしよりますぞね。
橙 返信
美しく、人の心を癒し導く虎模様が、実は竹自身にとっては
ストレスかも知れない。
そう思うととても不思議に感じて見えます。
温暖化の影響もこうしたところに現れているんですね。
自然の芸術を、このまま無くしてしまいたくないですね。
竹虎四代目 返信
橙 様
いろいろな負荷が竹に虎模様を
付けていると考えられるがですが
それぞれの要素がからみあい
この虎竹の里でだけ育まれて来たというのは
やっぱり奇跡やと思うちゅうがです
これからも、この竹をずっとずっと
守っていきますぞね。
阿部美智代 返信
やっぱり地球温暖化は進んでいるんですね。私たちの子供たちに負の地球を渡して良いんですかね?この頃考えてしまいます。人間はなんと愚かなんでしょうね。悲しいです。でも、守るのも人間なのに・・・
タロ 返信
田舎の懐かしい景色を思い出しました。
整備され、風情がなくなってしまっただろうか・・
K山の頂上へ行く、日陰の湿った場所は?
森は・・
切り取られた風景、
匂い、味、
音。
記憶を遡ることは出来る。
使い込んだ一品にも歴史があってー
竹虎四代目 返信
阿部美智代 様
コメントありがとうございます!
自然の中にいますと気候については
特に感じる事もあります
竹は成育も早くて環境にやさしい素材です
昔ながらの竹のある暮らしを見直していただく事が
自分達のできる事だと思い今後もやっていきたいと思うちょります
何卒よろしくお願いいたします。
竹虎四代目 返信
タロ 様
ブログをご覧いただき懐かしい田舎を思い出されたとの事で
まっこと嬉しく思いよります
人も自然の一部やと思いますきに
たまには豊かな自然の中に帰り
ゆったりと過ごす事は大事な事ではないかと思うがです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。