黄金の輝き

竹工房にて


職人さんの工房にお伺いする事も多いがです。町中にあっても、田畑の広がる田舎道にあっても、山深い所でも、竹が工房の表に立てかけられちょったり、長いまま横になっていたり、そんな光景に出会うだけで胸が高鳴りドキドキしてくるちや。ここに竹と人がおる、「竹」と「人」で「笑」という文字通り、何やら自然と笑顔がこみ上げてくるがぞね。


工房と言うたら格好がエイですけんど、自宅の一室や納屋等を仕事場にされゆう事も多いがぞね。内職仕事をしてくださりゆう職人さんは兼業で田んぼを耕したり、畑仕事をされゆう方も多いですきに自宅に並ぶお米や野菜などは、当たり前のように自分達が作ったものを食されゆうがです。小さい頃には普通の事にように思いよりましたけんど、これが今にしてみたら、なかなか結構贅沢なことながですにゃあ。


仕事場で一息つくのにお茶を入れてくれるがです。急須から湯気をたてて、こじゃんとエイ香りがしてくるけんど、このお茶も職人さんが作ってお茶にしちょったり、土のついたドッシリと重たい白菜や大根を、丈夫なビニール袋に入れてくれたり、竹の仕事自体が自然と向き会う毎日でもありますけんど、こうやって土の恵みをいただく機会が多い事は、まっこと幸せな事ながです。


前からずっと、ずっとお伺いしたかった竹作家の方がおられるがです。祖父が数十年前に、どこかで手に入れてきた大作を編まれたその方は、誰もが名前を知るような、ご高名な作家の方でもあります。なかなかお邪魔できる機会がなかったがですが、とうとう、お会いできるチャンスが巡ってきたがぜよ。


はじめてやのに、はじめてのような気がしないのは、きっと、いつも見慣れた竹のせいですろう。竹に囲まれた空間は、まっこと宝箱におるような気分ちや。目が回りそうなばあ色々な作品を拝見させてもろうて、ふらふらとテーブル帰ってきたら、無農薬で作られたというハッサクやったろうか?皮を剥いて、ちっくと砂糖をかけて出して頂いちょります。まっこと、こんな美味しい至福の一時はない、黄金に輝いて見えるがです。


コメント(2)

タロ 返信

ハッサクに砂糖ですか・・
甘党?

子供の頃、
隣のお姉さんが
夏みかんに砂糖を
かけてくれたことを
思い出しました。

昔の田舎の思い出ー

今もあるだろうか?

やっぱりすっぱいまま、、

竹虎四代目 返信

タロ様

ご自分が無農薬で作られた果物ですきに
甘さが足りないのでは?と気を使うて頂いたがです

砂糖がかかっていなくとも美味でしたし
かかっていても甘くて美味しく
一皿ペロリと頂戴させてもろうたがです
まっこと楽しい時間やったです(^^)

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