厘木(りんぎ)の長期休暇

厘木(りんぎ)


どこまでも広がる青い空、キラキラと輝く太陽、心地のよい風。こんな美しい山々に囲まれた高知に生まれ暮らしよったら、ついつい、これが当たり前と思うてしまいがちかも知れません。けんど、南国土佐の大自然に感謝する気持ちを忘れたらイカンと思うちょります。そんな虎竹の里を見渡してみましたら、早い所では桜の花も咲きはじめちょってから山のアチラコチラが華やいで見えますぞね。明るい日差しと、ぽかぽか陽気に誘われて、焼坂の山道を登っていくがです。


虎竹は、この里の1.5キロの間口の谷間でしか成育しない、まっこと不思議な竹ながです。他所の土地に移植しても何故か虎模様が付くことがなく、普通の淡竹(はちく)になってしまうがぞね。それだけに、この谷間の峠までの斜面には、道沿いから見えるだけでも沢山の虎竹林が続いちょります。


すぐそこの竹の小枝で遊ぶ小鳥たちの楽しそうな歌声。そして、山道に映る木漏れ日の色合いの濃さに本格的な春の訪れを改めて感じて嬉しくなりますぞね。カーブを曲がった先に、山出しされた虎竹を積み込む場所がありますちや。こうやって、厘木(りんぎ)を数本並べた所に、伐りだした竹を積み込んで仮置きしちょくがです。虎竹の伐採が本格的になるのは晩秋から1月いっぱいまで、この厘木(りんぎ)たちもしばらくは骨休め。格好よく言うたら今はロングバケーションの最中ながやにゃあ。


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