遠くからテレビや雑誌の取材でお越しの皆様には、自分達のような、まっこと歴史の他には何もない田舎の小さな竹屋に足を運んでいただきいつも心から感謝をしゆうがです、ありがとうございます!
テレビの制作とか映像とかには素人ですきに、詳しい事は何ちゃあ分かりませんけんど同じ「モノ作り」という大きなくくりで取材に来られた方を見よったら、その細やかな作りへの丁寧さ、こだわりは熟練の竹職人と何ちゃあ変わらん気がするがぜよ。まず虎斑竹(とらふだけ)という知られていない、ここにしかない竹を決められた時間の中で沢山の方に正確に伝えるという難しい仕事を楽しんでやられゆう姿勢には頭が下がるがです。
下調べには工場の周りや、竹林を、こじゃんと歩いたり、竹細工などでも知らない事を良く聞いていただき、少しでも美しく、全体も良く映るように工夫されよります。前に驚いたがは屋外で作務衣にマイクを付けて頂いちょった時に、立っている場所の風向きなどまで気にされちゃある事。まっこと、プロの方のそれぞれの仕事ぶりがやるがやにゃあ、とつくづく思うた事もあったがです。
先週金曜日にテレビ東京の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」で全国の老舗特集の中で今年皆様のお陰で創業120年になる竹虎も取り上げていただく事ができましたけんど、特に制作の方の熱心さと、こだわりが際立っちょっりましたちや。責任者の方はまだまだ若いのに、何とかカメラに良い絵を撮ってもらおうという熱意がヒシヒシ、エイものを作りたいという気持ちがビンビン伝わってきちょりました。寒い日の撮影で更に肌寒い山の竹炭窯に行きましたけんど、この制作責任の方は、あっちに動き、こっちに動き、自分の作られたプラン用紙を片手にモノを運んだり考えたり額から汗が流れよりました。前日含めて、たった2日間の撮影期間でしたが、日本唯一の自分達の虎竹を美しく画面に収めたい気持ちや。映り込む細かい場面への配慮には、実はずっと感じ入り、感謝の気持ちでいっぱいやったがです。
だから、普通やったら虎竹茶1パックだけ持って「今から飛行機で東京のスタジオまで届けにいきます」そんな事は考えもしないかも知れません。けんど、電話を掛けていただいた女性の必死さと一緒に、竹虎にお越し頂いちょった撮影の方の真剣な姿を思い出した時に「感じて」「動く」つまり、これが感動言うことやろうかにゃあ。何日も経って考えよったら、そんな風にも思うたがです。
ほんとうに小さい事、細やかな事を大切にできる職人が人をこうやって感動させる事のできる竹を生み出せるがですろう。誰かの笑顔を見たいという気持ちが本物やったら本物の竹が生まれる...ただ、それだけの事やろうかにゃあ。
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