もし黙っちょったならば本物のカマキリと思うて、そのまま見過ごされる方もおられるかも知れませんぞね。それくらい、まっことリアルに出来ちゅう日本唯一の虎竹で作ってもろうたカマキリです。
まず皆様が思い浮かべる色合いが緑色のものではありますが、そうぜよ、ちっくと思い出してもらいたいがぜよ。確かに、ちょうどこんな茶色い色合いのカマキリもおりますろう?だから一応、これが竹細工ですとお教えさせてもらいゆうがです。「ああ、カマキリね...だから」と、竹製の虫だと気づかない方もおられると思うがです。
けんど、それにしても、本体の大きさから、頭、カマ、首、触覚、胴体、足まで、今にも動きだしそうなイキイキとした姿ぜよ。竹は加工もしやすく素材は全国各地にあるがです。そして、手作りの好きな方も実は結構多くいらっしゃって、その中には竹の虫を創作されゆう職人さんもおられますぞね。だから、竹の虫は色々と拝見させていただく事も多いがでずが、この職人さんは、ちっくと特別やちや。本当に竹細工が好きで、そして製作される虫たちをも愛されちゅうがやにゃあと感じますぞね。
前に土用干しに使うエビラ籠を出してきたら、あまりの編み込みの良さに誘われたがやろうか?どこからともなく現れた本物のカマキリが一匹おりました。こうやって見比べても、あらら、、、どっちがどっちやろうか。遜色ないくらいの虎竹カマキリやちや。
細かい所はもちろん素晴らしく作り込まれて凄いですが、全体の雰囲気というか空気感というか竹細工と言う形に、命を吹き込まれちゅうのが、ちっくと他にはなかなか真似のできないこの職人さんならではの腕ではないですろうか。
そして、ちっくと難儀なのがこの持ち運びやにゃあ。細やかなガラス細工のように繊細な作りですきに大変ぞね。けんど、さすがと思うのはその運搬の方法ちや。発砲スチロールの台に極細針金で固定して持ち運びされゆうがです。作る時にも細心の注意で製作されゆうですけんど、完成した後にもさらに心配りされちゅう事にも感じ入るがです。
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