お座敷を二つに別ける間仕切りなどにも竹簾は使われますぞね。日本の暮らしの良いところの一つは風通しやと思います。たとえば庭にしつらえる垣根にしても、他者を拒むような高く堅牢な塀ではなくてお互いが確認できるような格子の竹垣や生け垣が多くあります。また、庭と住宅との中間のような存在の縁側。そして、室内に入れば簾(すだれ)。境界線をしっかり示しながらも向こうの様子を伺うことのできるファジーさが日本文化の良いところであるように思うがです。
けんど、たかが簾一枚と思いますが、薄い簾を隔てた、すぐお隣は目で見る事もできるし、当然、話し声なども聞こえてくるものの、飲食店などで横のテーブルと簾で仕切っていただくと、心理的な距離と言うのは実際の距離とは比べられないくらい遠く感じる気がするがです。朱色に染められたモダンな竹簾は、かなり大きなお部屋の間仕切りにも使えるサイズ。ポイントとなっちゅうのは横一文字に入った色違いの部分ぜよ。けんど、ただ色合いが違うというだけでは無くて、妙に目を引く編み込みやにゃあと思いよりましたら、何と、普通なら1本つづの竹ヒゴを紐で縛るところを3本の竹ヒゴを捻って、まとめて紐で縛るという技を使うちょります。
よくよく見せて頂かないと分からないような、簾職人さんこだわりの編み込みぞね。「あっ何かエイ感じ、今まで見た事のない新しさやにゃあ」ご覧になられる方に、そう感じていただけたら大成功ですろう。実は、このような隠れた技術は竹細工に限らず、色々な手作りにありますろう。そして、それぞれ、ひとつひとつに作り手の強い想いが込められちゅうと思うがです。
コメントする