雪にすっぽり埋もれてちゅうのは根曲竹ぞね。竹と名前が付いちょますがチシマザサとも呼ばれる笹の仲間に属した背丈も2~3メートルくらいの小さな竹ながです。葉っぱまで雪が積もって重たいがですろう、頭を垂れてじっと我慢強く辛抱しているように見えますぜよ。根曲竹の名前の由来は、こうやって雪が降り積もり長い冬の間ずっと雪の重みで竹の根元部分が曲がり続け、とうとう曲がったままになってしまう事からこう呼ばれちょります。こじゃんと苦労人の竹と言うてもエイかも知れませんちや。
けんど、一面雪に覆われた白い世界にあってこの根曲竹の青々とした竹葉の色艶の美しい事には感動しますにゃあ。昔の人々が竹の生命力を敬い色々な祭事に竹を使うて来たのには、こんな竹の力強い姿があったきやと思います。ちなみに竹の祭事は各地に何と28祭事もあり、神事に使うちゅう地域は全国で869箇所にも及ぶそうですぞね。日本人と竹との深い繋がりをこんな所でも感じますちや。
さて、こうやって雪の重さに冬の寒さに鍛えられ根曲竹は強靱な身体になっていくがです。温暖な地方の竹は成長も早く、大きくもなりますが粘りや強さでは根曲竹には到底かないません。長年使うてもビクともしない根曲竹買い物籠の堅牢さは、こんな雪国の厳しい自然の風土の中で育まれたものながです。
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