昔の職人さんの竹籠を見たら、ため息がでますちや。なんと美しい、丁寧で、自信に満ちた道具たちやろうか。竹と時間をかけて付き合い、竹を知り抜き、竹を活かしきる。一言で言うとするならば竹への愛があふれた仕事ぶりを感じるがぜよ。四ツ目編みされた竹編みを重ねてできる模様の面白さ、その竹ヒゴ一本一本にまで研ぎ澄まされた職人の技、口部分の縁を巻き上げて仕上げる手業の凄さ、それらも全て長い竹職人としての生き様そのものですろう。
竹虎でも、こんな籠に負けないような素晴らしい竹籠を編み、数十年に渡って、活躍され続けて来られた職人さんがおられますけんど、また一人、竹割り包丁を置くことになりましぜよ。自ら山に入り、自ら竹を伐り、竹籠を通して沢山の笑顔を産み出してこられた大先輩であり、尊敬すべき竹の人でもあったがです。
「竹の子の、また竹の子の、竹の子の子の子の末も茂るめでたさ」これは竹虎本社前の大きな石碑にも刻まれちゅう大田南畝(蜀山人)の歌ですぞね。
二代目義治は、この歌に竹に学ぶ姿勢と末永い虎竹の里の繁栄を願うちょったのだと思いますが、竹が毎年生え、急成長して末永く続いていくように、その竹を使って形にしていく職人の成長も今後もっと真剣に考えていかねばならない時期にきちゅうがです。
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