ところで皆様は竹林と竹藪の違いはご存じですろうか?英語では竹林がBamboo grove、竹藪はBamboo forestとなるがですが、人手により管理されちゅう竹の林の事を竹林、手入れされず管理もされていない自然のままの竹林を竹藪と呼ぶそうです。虎竹の里の山々の竹は、山の職人さんが少なくなったとは言うても人手が入り、管理されよりますので当然竹林ですぞね。焼坂の山をずっと登っていって山頂近くなった付近の竹林には、細く背の低い虎竹ばかり生えちゅう場所があるがです。
日当たりがよい南向きの斜面で、冬でも天気がエイとぽかぽかしよります。遠いので頻繁に来る事は出来ないのですが、昔から自分の大好きな竹林の一つながですぞね。虎竹はご存じのように淡竹の仲間ですが、成育するがはこの1.5キロの間口の虎竹の里の谷間の竹にだけ。イギリスのBBC放送までが取材に来られた不思議な虎模様が付きます。ところが、この模様の付き具合が年々少なくなっちゃあるがぜよ。そもそも虎模様がどうして付くのかが大学の調査でもハッキリ解明されちゅうワケではないので、色づきを良くする手立てもないがぞね。
山の職人さんによっては海風の影響とか温暖化のためとか、色々な話しを竹林ではするのですがコレという答えはないがです。色づきが良くないと言う事で、特に近年は竹林にくるとまず虎模様を自然と目で追うようになっちょりますが、おっと、あるある!ありますぜよ!こじゃんと色づきのエイ虎模様があるやいか。こんな竹を見かけると嬉しゅうになってきますちや。この竹がある限り、この虎竹の里の竹林はいつまでも竹林ぜよ。竹藪になることはないがやきに。
※適正に管理されない放置竹林が増えています。竹虎では成長が早く継続利用可能な唯一の天然資源と言われる竹のを少しでも有効活用したいと「バンブーロス解消へ、驚異の除湿力の竹炭活用」として2022年5月21日の30年ブログにも掲載しています。驚異の竹炭の除湿効果の動画も併せてご覧ください。
秋山健一郎 返信
竹虎四代目さま
初めまして
私は日ごろより斜面の防災を考えている秋山健一郎というものです。
斜面の防災に関しては、なにもかも西洋流のやりかたでなく、日本には日本流のやり方があると思っています。
とくに昔の人は竹林を非常に大切にしました。
平成18年度に実施した山口県内の3,500箇所の森林崩壊で竹林が崩壊した箇所は皆無であったように、竹林の防災効果は明らかです。
日本の国土は雨が多いうえ約7割が山地でしかも河川は急流です。土砂の生産量は多く河川は氾濫しやすいのです。この状況においてこれまで人々は被害を少しでも減らす方法を考えてきました。
木や竹で斜面を守り、家屋への土砂流入を防ぎました。
河川では自然堤防に竹を植えて補強して河川が氾濫しても堤防は守られるので、一時的に水没する田があっても土砂で埋まることはありません。
作物には多少被害が及ぶが水が引くと再び耕作が可能になるのです。
有史以来、江戸時代の前期に気象災害が最も多発した時期がありますが、その間に飢饉は起きませんでした。
これはインフラを守る仕組みがほぼ完成していたのだと思います。
この自然の猛威を簡単にあしらう日本流の対処方に対して西欧諸国は力で抑止する方法です。
たしかに西欧の国土の大半は台地で雨も少なく土砂災害はほとんど無いのでそれは可能です。
しかし広い面積に渡って無数の崩壊を生じ、いくら堤防を高くしても天井川になって氾濫する日本では力で抑止する方法は不可能です。
長期的に見ると日本ではソフト策に頼るしか方法がないと思われます。
ソフト策と言えば避難と思いがちですが、それはあくまで最終手段です。
まず行うべきは危険な場所には住まないことと、林業や竹林を活用して危険な場所を減らすことです。
貴社の今後のご活躍に期待いたします。
竹虎四代目から秋山健一郎への返信 返信
秋山健一郎様
とても勉強になる投稿をありがとうございます。
先日も高速の徳島道を走りますと日本暴れ川のひとつ四国三郎吉野川の川岸には見事な真竹の竹林が続いています。現代のような土木工事が発達している今日でも水害が毎年のように起こるのに、この竹林を整備した当時はどれほど人々がこの竹たちを頼りにして助けられて来たのかと、いつも思ってしまいます。衣食住すべてに関わってきた竹ですが防災にも大きく貢献してきたことを忘れてはいけません。