竹雲斎工房、田辺小竹さんの竹花籠教室にお伺いさせてもろうちょりました。「美を守る人たち」と言う銀閣寺講座ながです。田辺さんは代々、竹工芸を営まれてきた一家に育ち、生まれながらの竹工芸師と言える凄い方やと思うがですが、素晴らしい作品に虎竹を使うて頂く事があり、いつも感謝しちゅうがです。
大阪堺という比較的近くにありながら今までお伺いした事のなかった工房ですきに、どんな所やろうか?前の日からドキドキワクワクやったがですが、想像以上に美しく機能的でビックリしましたちや。竹職人、竹工房という事で言うたら、恐らく日本一くらい色々な所に行き、人に会ったと思いますけんどこんな竹工房というのは初めてやったがです。
竹編み教室が始まります。竹ひごを縦横に並べて一番簡単な四ツ目編みができますぞね。その四ツ目編みを底編みとしてそれぞれの参加者の方に、ご自分の思うように好きな形に編んで行っていただくがです。
実は竹虎でも工場長が花籠教室をする事がありますけんど、生徒さんが好きに編め込んでいける自由度が高い方が楽しいにゃあと思いましたぞね。しなりのある竹ならではの扱いやすさ、ああでもない、こうでもないと試行錯誤する中で竹の特性を知り、楽しさを体感していただけますろう。
けんど、まっこと面白いものですちや。元は同じ何の変わりもない四ツ目の底編みがそれぞれの参加者の皆さんの個性によって編みあがってみたら全く違うものになるがです。頭では予想しちょりましても実際に目にするのとは少し違いますぞね。
竹素材のしなやかさに人の生き方を重ねるのは少し大袈裟かも知れませんけんど、思うように変えていける事は、まっこと似ちょりませんろうか。そうやって思うたら、ひとつ、ひとつ異なる花籠がかけがえのない、唯一の竹として尚更愛おしく感じてくるがぜよ。
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