網代編みされた文庫を拝見させて頂く事はありますけんど、上蓋の縁をこんな曲線にした作品はあまり見かける事は多くないのです。ちょうど蓋を持つ時に手を掛けられるような工夫ですが、この部分を普通見かけられるように真っ直ぐに仕上げるのかこのような曲線部分をつけるのかで手間や技術の高度さが全くと言うてエイくらい違うと言われちょります。
完成した文庫として見た場合には見栄えの格好良さが全然違いますが、あまりこのような形を見かける事がないのは、この「ワザ有り」の大変さを物語っちゅうがではないですろうか。両側とも同じように仕上げられ両手で持ち上げる時の感触も同じ、見た目以上に使われる方には指先への籐巻きの当たりなどが重要ですぞね。そこまで、こだわり抜かれた素晴らしい職人魂やと思うがです。
網代編みの竹が立体的に深みを持って見えるのは、塗りやホコリ入れという加工をした後に竹ヒゴの一部を磨いて削りだされているからながです。裏返してみても底面の竹ヒゴはもちろん力竹も線が入ったように薄く削られて更に風合いある仕上げになっちょります。この力加減というのは作り手の感性が表れる所であり、使い手が見て好みの分かれる所かも知れませんちや。けんど、それにしても波うつような緻密な編み込み、竹ヒゴの微妙な色具合、見れば見るほど引き込まれそうですちや。
高田 雅美 返信
素敵な色だと思いました職人技ですね。見ているだけでホットします。
竹虎四代目 返信
高田雅美様
コメントありがとうございます!
編み込み、色目など竹職人の伝統の技のひとつながです
日本人にとって竹は親しみのあるものですきに
やはりご覧頂いてホッとされるのではないかと思うがです。