日本の生活道具のデザイン性の高さというがは、身近におったらなかなか感じる事が出来にくいかも知れませんぞね。けんど、渡辺竹清先生がアメリカの世界的宝石店の注文でずっと創作を続けられていたパーティーバックは、昔から普通に使われちょった竹の弁当箱の形のようですし、付いている金具にしても日本の何処にでもあった箪笥の引手金具ソックリちや。
使われちゅう素材も竹材の中でも最高級の煤竹。囲炉裏の煙に燻されて百年以上経っている、まさに日本の伝統的な暮らしが作り出したと言うてもエイ銘竹ぜよ。こうやって最高の素材を使うて、匠の技で作りだした作品が芸術品のように洗練され輝いて見えるがは、もともと日本の長い歴史が、元となった道具たちを磨き、育み、育ててきた成果ではないかと思うちょります。
いつからやろうか?初詣は、いつもこれを持っていくと決めちょります。片方の金具に組紐をかけ、蓋が開かないようにもう一方の金具に紐を通すがです。着飾ったパーティーに使うバックとして創作されちょりますので、年に一度の改まった朝にもふさわしいと思うがです。
それにしても久しぶりに桐箱から出した竹の色艶に見とれてしまうぜよ。長い時間だけが醸し出すことのできる彩り、そして熟練の手業が加わり自然と人との共演で産み出された小籠から、ずっと目が離せんなっちょったがですちや。
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