朝は息が白く見えるほど寒さが厳しくなりますけんど、虎竹の古里、焼坂の山道をトラックでゴトゴト上がっていって今日は虎竹の積み込みから仕事が始まりますぞね。道路脇には山の職人さんが竹を集める場所が何カ所も作られちょって、山のテッペンから竹を積み込みながら下っていくがぜよ。
それにしたち山の空気は、まっこと気持ちがエイ。明るい陽射しが差し込み、いつものように小鳥の遊ぶ声が聞こえるちや。2人一組になって竹を荷台に放り上げ、一人が荷台で綺麗に積み込む。たぶんトラックで竹を出すようになる前から、荷車に竹を積んで人力や馬で運びよった頃から何ちゃあ変わらない虎竹の里の、この季節の風景ですろう。
山からトラックで運びだして来た竹は下ろされて、縛っちょった紐を解かれ広い土場に並べられるがです。どうして紐を解かれるかと言いますと一本、一本、それぞれの竹を見て、色づきはどうか?キズはないか?太さはどうか?細かく選別されていくがぜよ。
この選別作業も実は一回ではないがぞね。最初は山の職人さんが自分で選別するがです。それを今度は再度間違いないか確認しながら選り直していきます。そんな手間をかけて色づき、太さ別に選り分けした虎竹達を再度一束づつの束に縛っていくがぜよ。色づきのよい虎竹もあれば、そうでない竹もある。太いものも、細いものもある。まったく自然まかせ、山の恵みですきに。それぞれの竹をまとめて積み込んで一年通して使うて行きます。運んで来た竹を解いたり、選ったり、縛ったり、又積み込んだり。
竹屋は夏痩せはしませんぞね、「冬痩せする」昔からそう言われちゅうがです。けんど、あれやにゃあ...冬痩せする竹屋さんち今の日本にどれくらいありますろうか?気持ちのエイ青空の焼坂を眺めながら思うてみますぞね。
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