前に銀閣寺の催しに参加させて頂いたお話をしましたけんど、美しい庭園のあちらこちらに見る事のできる竹のあしらいの一つに結界があるがです。結界とは、ここから先は立ち入りご遠慮くださいという境界線の目印みたいなものですぞね。お茶席などでも良く使われちょって、竹虎にも以前は亀甲竹や図面竹といった銘竹で作られた色々な結界が沢山あったことを思い出されるがです。
屋外でも同じような意味合いで使われる竹の造作物に出会う事があります。大きな日本庭園などではなくても、ちょっとしたお宅の玄関先にあったりして日本文化の素晴らしさはこんな何気ない所にも表れちゃあると感じます。鍵がかかっているワケでも、頑丈な柵でもないただ竹を一本通しただけでテリトリーを見事に線引きされちゅうがです。
前にたまたま訪れた鎌倉のお寺でも竹の結界を拝見した事があります。けんどここ銀閣寺では、同じ結界でも少しやり方が違うぜよ。竹の弾力を活かしUの字型に竹を曲げて竹を横から差し込めるようにしちょります。どちらが、どうと言う事ではありませんがそれぞれの違いがあって面白いにゃあと思うがです。
小倉城には「迎え虎」と「送り虎」という有名な絵が飾られちょります。虎と聞きますと、ちっくと気になって足が向いた事がありますが、このお城のすぐ近くに小倉城庭園というお殿様の別邸を復元したというお庭があるがです。懸造り(かけづくり)と言われる木造建築が目を引く池の縁を歩くと、銀閣寺で見た同じ竹のしつらえがされちょりました。庭師さんの伝統の技を感じたりしてあいにくの雨模様でしたけんど心は晴々して歩けるがです。
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