わらび細工の籠

シダ編み籠


竹虎にご来店頂いちょりましたお客様が、


「これは沖縄のワラビ籠ではないですか?」


と訪ねられるので、もしかしてと思うて詳しく聞いてみたがです。そしたら、やっぱりシダ編み籠の事やったですぞね。実は前にも同じような事がありましたきに、わらび細工の籠も写真では拝見したことがありますけんどワラビというのはシダ植物の一種と言うだけあって、もしかしたら呼び名が違うだけでほとんど同じ種類ではないか?そう思うくらい高知で作られてきたシダ編み籠とまっこと良く似ちゅうがですぞね。


シダの特徴は何と言うても水に強く耐久性がある事。素材自体でも目に見えて古くなったり経年劣化が少ないきに、編み込む職人さんにとっても材料確保しやすく、どちらかと言うたら作りやすい籠でもあるがぜよ。ワラビ細工も同じような素材というだけあり耐水性があり、何十年も使える強度のある籠やそうですちや。


更に編み方まで同じやったりしますので、普通の方がご覧になられたら間違うのも無理もないですちや。けんど、もともとこのような形の籠は食器籠として、脱衣籠、衣装籠等としても全国各地で編まれよりました。もちろん、シダだけではなくて竹や籐の籠でも見る事ができる定番の形でもあって、各地方に行って目にする機会がありますけんど、古い籠を見たら全く同じやったりするがです。


ワラビ細工も竹細工と同じで職人さんが高齢化して少なくなってから、近年は少なくなっちゅうというように聞いちょります。良質のシダの産地でもあり、かっては沢山の方が収穫のために山に入った、そんな歴史のある虎竹の里には今でもシダは沢山生えちょります。向こうの方まで、ずっと青々と茂るシダを見ながら手仕事の世界の厳しい現状を思うたりもするがです。


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