大広間に玄関から上がろうとして横を向いたら、格好のエイ黒竹の飾りがありましたぞね。末広がりの縁起のエイ扇形やちや。田舎にしたら、ちっくと洒落たと言うか風流というか、この虎竹の里の山主さんの古いお宅にはこういう竹のしつらえをされちゅう所が何軒かあるがぜよ。ここでは扇型の黒竹の細工やったけんど、同じように細い竹を使うた丸窓などもあるがです。こじゃんと格好のエイ宝船もありましたちや。昔からのお家には、こんな飾りが普通やったがやうろか?
土佐藩の時代には年貢の代わりとしてお城下に届けられた竹ながです。そんな特産の虎竹を大切に守り育てていく中で、自然と竹に対する敬愛の気持ちが生まれ、こうやって玄関先を飾るようになったがではないろうか?もし、そうやったら、こじゃんと(とても)嬉しいにゃあ...けんど、違うかにゃあ...。いやいや、そんな事はないですろう。
同じ高知でも虎竹の里以外では、こんなに竹が普通に使われちゅう事はあまり見た事もないがです。冬になったら虎竹が伐り出され田畑に竹が広げられたり、土場に竹の小山ができたりして来た虎竹の里のならではのささやかかも知れませんけんど歴史の一つやにゃあ。そう思いながら、ニヤニヤしてしまうがぜよ。
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