竹の色紙掛けや、短冊掛けなども、ちっくと前まではかなり色々な種類があったように思うがです。生活様式などの変化で、これらの竹製品の多くは姿を消しちょりますが、そんな中で見せて頂いた、この色紙掛けに全身しびれるがぜよ。
確か前にも一度拝見したけんど、やっぱり思う所は一緒ぞね。色紙掛けの紐で吊す部分に注目いただきたいがです。これは見るからに嬉しくなる創りやにゃあ。普通やったら、ただ紐をくくり付けて終わりそうな所を、わざわざ3つの竹パーツを使うて、それぞれを繋ぎ合わせて吊り提げられるようにしちょります。
これが竹への愛情を感じるしつらえちや。おそらく竹の格好のエイ所をもっと見せちゃりたい。もっと、もっと...そんな気持ちが作った竹のこだわりですろう。普通に製作するだけやったら紐をかけるのが当たり前ですきに、何ちゃあ考える事もなく他の細工と同じように紐をしていたらエイかも知れません。けんど、まっこと少しの事ですけんど、ここの紐の部分に竹をあしらうという事を初めて考えて、初めて作る方は竹に本気になっちゅう人ぜよ。こんな小さな事やけんど竹が本当に好きで、本物をつくりたいといっつも考えちゅう職人さんだけができる大きな一歩やと思うがです。
すずらんの花束 返信
竹の色が、何とも言えない艶があっていいですね。これに色紙を飾ったら、名作に見えるでしょう。
竹虎四代目 返信
すずらんの花束様
コメントありがとうございます!
こちらの色紙掛けは煤竹という囲炉裏で100年近く燻され
自然に色づいた竹を使用して作られちょります
独特の渋い色艶が魅力ですが、確かにどんな色紙でも
名作に見えてしまうかも知れませんぞね。