日本唯一の虎竹は、この竹の里にしか成育しちょりません。けんど、この竹の里にある竹が全て虎竹かと言うたら、実はそうではないがです。毎年、今頃から翌年の1月いっぱいが虎竹伐採のシーズンですけんど、山から運び出された竹は1本づつ選別していきます。太さ、色づき、キズなど分けていって、色づきが良いものだけを虎竹の製品としていくがです。
この時にB級品として落とされた竹の利用法の一つに壁竹への転用があったがです。昔と違い現在では新建材等で壁材も色々あるようですが、土壁の時代にはその下地として竹を格子に組みよりました。細い竹はそのままで組まれたりしちょりますし、太さのある竹は一定の幅に割って平たい竹ヒゴの状態で使われよりました。下地ですので色づきもキズも関係ありません。自分が入社した当時は虎竹のB級品が毎日のように壁竹用に加工され、10トントラックに満載してお得意先様の所に届けられよったかです。
さて、そんな壁竹とは、実はまったく違うのですが、大分県にある竹の学校にある竹の壁。恐らくコンクリートを塗る時に孟宗竹をハメ込んじょって、自然の竹そのままの型を取ったのではないろうか?節の形や、1本づつ違う竹の面白みがでちょりますぜよ。竹に取り組む若い方達の学舎にふさわしい壁の前で、作る横から都会に運ばれて行きよった壁竹を思いだすがです。
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