瀬戸内国際芸術祭に行く機会があったがです。日頃は竹ばっかり見よりますきに、たまにはアートもエイかも知れんと思いよりましたが誘われて来たものやきに右も左も分からず、とにかく集合場所の男木島に到着したがぜよ。
時計を見たら待ち合わせの時間までは随分とあります。この島にどんな作品があるのかも全く分かりません。まあ、とりあえず港から足の向くまま歩いてみたがぞね。民家の間をぬうように続いている細い急な階段を登っていくと、テレビで見た事のある尾道の光景を思い出しますちや。同じ瀬戸内海やき似ちゅうがですろう。
そんな事思いよったら、ふと一軒の民家に足が止まりました。西堀隆史さん言う方の作品を展示しちゅうそう。妙に気になって、ちっくと見て行こうかにゃあ。そう思うて中に入って龍馬ブーツを脱ぎかけた手が止まったきに、前を見て、こじゃんと驚いたぜよ!まっことビックリ!
口々に「待ちよったきに!」そんな声が聞こえたような気持ちになりましたぞね。正面にズラリと並んで出迎えてくれちゅうのはなんと和傘の骨たちやきに。上にあがったら「こっち、こっち」誘われるように右手奥の部屋へ入っていくがです。
なるほど、どうして今日ここに来たのか分かったちや。オマンらあが呼びよったがやにゃあ。竹虎は今年で創業119年になりますけんど、もともとは初代宇三郎が和傘の骨材の竹などを扱う事から竹材商として営業をはじめたがです。明治27年当時の曾じいさんの家もこんなやったろうか?
ちょうど、ちゃぶ台もある。イト曾ばあさんが食事の支度をしよりそうぜよ。壁も天井も竹ばっかり、こんな竹に囲まれて二人でどんな話しをしたがかえ?幸せやったろうか?ワシの事は見てくれよりますろうか?迷うてばっかりやけんど竹みたいに真っ直ぐいけよりますか?畳の部屋に腰をおろして気がついたら1時間も過ぎちゃある。まっこと「時間の廊下」やにゃあ。
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