竹籠や竹ざる、そして多くの竹細工は竹製品は日本の里山にある身近で加工しやすい素材の竹を使うて、毎日の暮らしの中で磨かれ今に伝わってきたものばっかりですぞね。だから、昔からある竹籠などはどれを取っても、そもそも、そんな形や大きさになった理由があるがです。たとえば、この丸竹籠はかなり大きなものです。深さも結構ありますので運ぶものによっては一人で抱えるのが大変やったかも知れませんちや。そこで、底に幅広の力竹のような細工がされちょります。
こうやって壁に掛けちゅうだけでも、この力竹がアクセントになって見栄えがエイですし、縦に一文字に入ったデザインは格好良くも思えるがです。けんど、もちろん、生活の道具として使いよったその昔に、そんな悠長な事を思って職人はこの竹細工をしたワケではないがです。
少しでも沢山の荷物を入れて運びたい。そんな使い手の思いを受けて、持ちきれない重さの時には地面を引きずり運べるように、そう考えて、こんな造作になっちゅうがです。竹籠一つから古人の仕事ぶりや生活がしのばれるち、まっこと嬉しい事ではないですろうか。
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