ひび割れた石臼

タガ


臼を今でも使いゆうお宅はボツボツありますぞね。穀物をつく事にも使いよったがですが、一番見かけるのがやっぱりお餅をつく事すろう。自分の小さい頃には普通にお餅をつきよりましたので、お餅を作る機械を始めて見た時には子供達だけでなくて、大人達も偉くビックリして「こりゃあ~便利やにゃあ」と大喜びしたことをハッキリ覚えちょりますので、逆に言うたらそれだけ臼が日常的に使われよった事かも知れんちや。


さてさて、そしてこの石臼ですけんど、実はヒビが入って割れかけちょります。割れてしまうたら、何ちゃあ使えなくなりますので、こじゃんと困ったところへ登場するのが竹。竹のタガでしっかりと2カ所留めちゅうがです。


竹の「タガ」が分かりませんろうか?そうですにゃあ、竹虎の商品でもおひつには虎竹のタガを使うちょります。けんど、これだけ大きい石臼やと重さもかなりのものですろう。このタガを巻いたのは竹が飴色に変わっちゅう事から随分と前の事かと思いますけんど、ずっと、このままタガで割れずにおるという事は、竹の強さ、丈夫さを物語ってくれよります。


日本は古来こうやって修理しながら、大切に生活道具を使うてきた素晴らしい文化があります。「もったいない」という心。身近にあって加工も簡単な竹はこんな思いにずっと応え続けてきた素晴らしい素材ぜよ。


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