焼坂の空に

虎竹名刺入れ


とても嬉しい事があったぜよ。虎竹名刺入れを長い間ご愛用して頂きゆうお客様やった。この方には何度もお会いさせて頂くけんど、自分達の名刺入れを使うてくれゆう姿を拝見するたび、まっこと嬉しゅうになってくる。この名刺入れは、デザインという程ではないけんどはじめて自分の思いを形にした虎竹製品やきに、実は思い入れも、こじゃんとあるがぞね。


何ちゃあ、ひとつも売れなくてもエイがです。色々な所で名刺交換する時に自分自身がこの名刺を手にした時、感じたい事がある。100年前、この辺境の地であり、日本にここにしかない不思議な竹の育つこの里に小舟でやってきた宇三郎が、はじめて、この浜辺に降り立った時の風を感じられるかどうか?


藩政の時代には、土佐藩の年貢としても大事に育てられていたという虎竹ぜよ。遠く大阪から渡ってきた、よそ者と言われて手に触る事すら出来なかった竹を、認められ受け入れられるまで呆れられるほど何度も何度も足を運ばせた、その竹への思いの熱さを感じられるかどうか?心を掴んで離さなかった虎竹の魅力と虎竹の里の自然を、自分の手の中に感じることができるかどうか?


ブランド品には疎いですけんど、同じ値段を出すやったら海外の一流の品が買えますろう。価格ではなく、名前でもない。虎竹名刺入れは胸ポケットに仕舞うちょって心で使うものですろう。


竹虎四代目


まっこと、ちっくと変わっちゅうかも知れんちや。けんど、昨夜放送いただいたテレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」も普通の竹屋さんやと思うたら竹虎に声はかけんと思うがです。全国の竹屋さんが出来ない言うて断っちゅう事を自分は何ちゃあせんくせに。軽々しく引き受けて、どう言うつもりぜよ...!職人は思うちゅうかも知れんちや。


けんど、見てみいや。昨日までの強い雨が上った焼坂の空に、初代や二代目だけやないで、あの懐かしい顔の職人さんや、あの大好きやったおばちゃん、皆がこっち向いて、にこにこ笑いゆうがやないかえ。


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