竹細工をご覧になられた時、何気に見過ごされちゅうかも知れない職人の技に竹ヒゴ取りがあると思うがです。花籠やったら、花籠の塗りや染め、形、編み込みなど、仕上がりについては素晴らしいと言うていただけますけんど、その土台となっちょります竹ヒゴにまでは、あまり深く考えられないのが普通ですろう。
けんど、どんなに優れた技術を持つ職人でも、竹ヒゴが悪ければ、ざるにせよ、籠にせよ良い竹細工はできません。美しい竹製品を作るためには、一本一本、形や厚み、性質、色合いの違う自然の竹を同じ厚み、同じ幅に揃えていく工程が必要ながです。そこで、この大事な幅をとるために幅取り包丁と呼ばれる小刀を木製の台に2本打ち込み、その刃物の幅を調節する事により竹ヒゴの幅取りをしていくがです。
さて、先日お伺いさせていただいた竹職人さんはなかなかユニークな方でしたぞね。ズラリと幅取器が並んじょりましたので、これは、一体何なんですか?そう聞くと、幅を色々取る度に刃物の調節が面倒なので、こうやって、それぞれの幅が取れるようにあらかじめ沢山幅取器を設置しちゅうとの事でした。職人さんの個性もそれぞれ、だから、出来上がる竹編みもそれぞれ違いがあって、特徴があって、こじゃんと面白いがぜよ。