ゆずりは、田中陽子さん

竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)、ゆずりは田中陽子さん


南国生まれの南国育ちの自分からしたら、東北の地は憧れの世界でもあったがです。自分達の暮らしとは違う生活スタイルがあって、そこから生まれてきた道具達も、こじゃんと魅力的。寡黙ですけんど本物だけが醸し出すような、静かな迫力にいつも圧倒されちょりました。


今までに出会うた北の職人さんのお話は温かな方言もあって、まっこと面白く、知らないことばかりでいつも楽しみに聞かせていただきよりました。そして、常に感じさせて頂きよったのが言葉の端々に感じる自分達の回りの大自然への畏敬の念ながです。生活の一部となっちょって身近ではあるけれど「ここの一線からは立ち入ってはいけない」大袈裟ではなく、山への感謝の気持ちと同じくらいの畏れをもって、伝統の手仕事を続けられゆうのだと思いよりました。


竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)、田中陽子さん


きっと自然の厳しさという事があるのかも知れませんぞね。前々からお会いさせて頂きたかった、ゆずりはの田中陽子さんのお話からも東北の職人さんたちの身震いするような思いが伝わってきます。


長い間受け継がれてきたモノ作りには、その地域の風土、文化、自然、人の暮らしなど色々なものが詰まっちゅう。東北の手仕事を紹介され続けてこられた田中さんは、モノを愛されると同時にそのモノの向こうにある懐かしい人の営みを愛されちゅうと感じました。自分も一番大事なものを一番大事にするような竹を、ひとつでも多く手にする事ができたらにゃあ。田中さんのお話を伺いながら、心につくづく思うたがです。


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