竹は中が空洞になっちょりますので、炭窯に入れる時にはそのままでは効率が良くないがです。そこで、竹を割って出来るだけ沢山窯に入れて焼けるようにするがです。この竹炭窯の材料の竹は少し細い事もあって、半割程度のものも結構ありますちや。けんど、こうやって、こじめてみたらこの通り。丸竹の時とは比べものにならないくらいギュッと詰まった感じちや。これを一本一本窯に入れながら窯立てし竹炭に焼いていくがです。
ところで、前にもお話させて頂いた事があるかも知れませんけんど、「炭焼き職人さんには胃腸の悪い方と水虫の方はいない」そんな言葉をご存じですろうか?いやいや、始めて聞いたぜよ。そんな方も多いかも知れませんけんど、これは昔から結構言われちゅう事ながですぞね。炭職人さんは胃腸の調子の悪い時にはガシガシ炭をかじっていましたし、炭焼きの時に採取しておいた竹酢液を地下足袋の上からドボドボとかけて仕事をされよりました。
微粉末にした炭が静かなブームですけんど、もともと昔からの知恵としてあった事ながですにゃあ。竹酢液にしても殺菌力が強いと言われちょりますので、なるほど、これなら足が蒸れても水虫にはならないやろう。そう感心した事があるがです。
自分も夏場の竹林に入る時には、全身に竹酢液をかけるのと同時に長靴にもスプレーしますちや。これは、虫は虫でも「水虫」ではなくて、本当の虫の蚊除け、害虫除けのためながです。炭窯を誇らしく説明してくれる大ベテランの職人さんも山に竹を切りに行く時には、きっと竹酢液を使いゆうがではないですろうか。
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