黒縁眼鏡の職人

竹職人


今までアレコレ話しよった職人さんが、さてと竹ヒゴを持ったなら、


キラリ!


黒縁眼鏡の奥の目が一瞬鋭く光りますぞね。ちっくと部屋の温度が上がった、そう言うたら大袈裟やろうか?ピンと張ったタコ糸に負けないくらい、この竹工房にも緊張の糸が張られちょります。


それにしても格好がエイ。この表情、この手さばき、どこかで見たような気がしよりましたけんど、そうそう、いつぞやテレビで見た事のある世界の大会か何かで優勝した言うバーテンダーさんですちや。カクテルと竹細工やき、こじゃんと違いますけんど、作り手の極めた仕草には同じような一本筋の通った美しさがあるような気がするがぜよ。


細かい竹編み


細い竹ヒゴを編んでいきます。熟練の竹職人は指先にも目があると言いますちや。たとえ、よそ見しよっても真っ暗な中でも編めるという方もおられますぜよ。気持ちのエイ、風の通る仕事場には竹編みの微かな音だけ。色々な形の竹籠や、竹の材料などに囲まれていつまでも見よりたいような気持ちになって、ついつい時間を忘れてしまいそうになるがです。


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