こりゃあ、一体何に使われる竹籠ですろうか?ついつい聞きたくなるような大きさながです。別誂えで編むことのできる竹細工は、できるだけご要望にお応えするようにしちょりますがわざわざ竹でなくとも何でもある時代。こんな特別サイズの竹籠は、まっこと珍しいがですちや。一昔前のように竹籠が運搬用具だった頃に、伐りだして来た竹をそのまま鉈で割りこんで、ざっくり粗く、けんど、とにかく堅牢に編み込まれた籠が昔からの職人さんの工房では片隅に置かれちょって、竹の切れ端から竹屑から放り込むゴミ箱に使われたりしてました。
竹虎でも、ほんの十年、二十年前まではリヤカーに乗せた大きな角籠を使いよったです。焚き物として運んでいく度に結構乱暴な使い方をしよったのに、修理などしながら長い間使いよりましたので、考えたら昔の籠は丈夫な作りやったにゃあと思うのです。
最近の職人さん自身が、このような大きな竹籠をほとんど製作していないので材料取りから、力竹など色々と出来る工夫はあるかと思いますけんど、大きい竹籠は、職人さんの技量プラス体力が必要やし長い竹ヒゴを扱いますので広い場所も必要ながです。だから、大きな竹籠というのはこれからますます作る事はなくなりますろう。小学校の頃に、隣町の須崎港に置かれちょった見上げるほどの巨大な丸い鰯籠で隠れんぼをした事は、つい先日のように覚えちゅうのに、もうあの籠はどこを探しても見当たらんがぜよ。
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