夏に活躍する竹製品のひとつに竹簾がありますぞね。竹簾は、細く割った竹を紐で結んで一枚の製品にしていきますが、強い陽射しをさえぎりながら、風通しが良く昔から愛用されてきちょります。
ひさしからズラリと簾をたらしているお宅を拝見する事はありませんろうか?なんとも風情があってエイもんですちや。そうそう、京都の町屋などの写真や映像で、この季節はよくご覧になられる事があるかと思いますが、川べりのお宅で簾を垂らしてある景色だけで何となく涼を感じてしますぞね。さて、この竹簾の所々に、白っぽく見える稲妻模様がありますが、一体何かお分かりですろうか?
そうながです、実はこれは竹の節の部分です。表皮を活かした簾は、こうやって竹節が表にでてきますので、竹を斜めにちょっとづつずらせて、このようにジグザグに見せているのです。竹節など、どこに入っても良さそうだと思われる方もいるかも知れませんが。これが竹職人のこだわりで少しでも良く見せて、お使いいただく方に喜んでいただきたい。そんな想いの現れやと思うちょります。
竹簾だけでなくて袖垣なども太い孟宗竹の芯の上を、こうやって細く割った竹で巻きつけて仕上げていくがですが、この工程では簾の竹と同じように巻き竹を少しづつ斜めにずらせて、竹の節で模様を作っているのです。よくよくご覧になられないと気づかれないので、見逃される方が多いのですが、竹節が乱雑にアチコチしているのと、こうやって稲妻模様に規則正しく並べられているのでは、出来上がった竹製品の見栄えには雲泥の差があるのではないですろうか?竹細工には長い歴史がありますきに、その間に磨かれてきた本物は間違いないがです。
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