桐材は軽くて、吸湿性もあり独特のやさしい木肌である事から、下駄としても昔から多用されてきちょります。表面をムラのないように焼いた後に、丁寧に磨いて艶をだす焼き磨きという技法で製造された下駄は、「桐」だけに足元を「キリッ」引き締めてくれるような見た目の渋さだけでなく足入れもスムーズで、こじゃんと履きやすいがです。
こんな鼻緒の履き物の嬉しいところは、何ちゃあ浴衣や着物の必要がないところではないですろうか。いつもの作務衣やったら和風やきに、もちろんバッチリ似合いますけんど、ジーンズにTシャツのような格好にも意外と合わせる事ができて、そのままちょっとしたお出かけなどにも悪くないので、下駄はかなり優秀な履き物ですぞね。
男の桐下駄の鼻緒がリニューアルとなって鼻緒の柄が変わりましたけんど、「男」と名前が付いちゅうきに男性しか履けないかと言うとそうでもなく女性で足の小さな方でも、もっと言うとお子様でも鼻緒を指にひっかけたら誰でも使う事ができるがです。ひとつのモノを家族中で共有できる履き物というのは下駄くらいぞね。
前に江戸時代は、こじゃんとエコな暮らしをしていた時代と何かで聞いた事があるがです。当時、履き物と言うたら下駄か雪駄しかなかったと思いますが、鼻緒の履き物は少々の足の大きさを気にすることなく、誰でも使うことができて最後まで無駄になりませんので、日本人の「もったいない」というモノを大切にする心にもピッタリのエコな履物と言えるかも知れんと思うがです。
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