夏の季節商品のひとつに縁台があるがです。日本唯一の虎竹を使うて作る折りたたみ式のもので、祖父が考案してから既に40数年もずっとご愛顧を頂く事ができて製造を続ける事のできゆう竹製品ながです。
冬の寒い時期に虎竹が伐り出されて土場に広げられ、色づきやサイズ別に選別作業があるのですが、この時にすでに虎竹縁台の材料は確保されちょります。だから一年に製造できる台数というのは、一番ご用命のある夏よりずっと前に決まっちゅうがです。
縁台は枠組を沢山作ったあとこれも高知特産の黒竹をズラリとならべて、四万十カズラでしっかりと縛り仕上げていくがですが、山で伐採する職人さん、山出し、選別、虎竹の油抜き、矯め直し、間伐材のヒノキ、竹セン、黒竹の油抜き、矯め直し、四万十カズラ、枠組、仕上げ...。改めて考えてみたら何人もの職人さんの手を経てようやく皆様のお手元にお届けできよります。竹細工は、ひとりで全ての行程をまかない、完成させる事のできるモノも多いのですが、色々な人の手が関わるモノも実はかなり多くて、この行程の、どの部分ひとつが無くなっても商品が出来上がりません。
近年、職人さんの高齢化などで作りたくても作れない商品が増えてきちょります。沢山の方の関わるモノ作りは大きな産業だった時代には、まっこと有効に働きよりましたけんど、今からの時代、代わりとなる若い技術者が育っていない一部分があれば、他のラインが動いていても竹製品は完成せんがです。手仕事を続けていくための舵取りが、ますます難しゅうなってくる虎竹の里。けんど、伝説の男ジョニー・ザ・サーファーも絶賛した虎竹縁台。これからも作り続けていきますぞね。
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