竹虎では毎年夏休みを利用させて頂いて、竹屋ならではのインターンシップを開催させていただいちょります。主に大学生や専門学校生を中心とした学生さんにお越しいただき、昔ながらの竹の仕事や日本唯一の竹林、身近ではなくなりつつある竹細工、竹製品などを体感してもらうがです。そのインターンシップでも、学生さんが楽しみにされちょります事のひとつに虎竹を使うた花籠作り体験がありますぞね。おそらく竹を触ることも、ましてや竹を編むなどと言うことはこれからの長い人生の中でも一回きりかも知れませんきに、こじゃんと(とても)貴重な時間だと考えちゅうがです。
日本人と竹は数千年にわたって身近にふれあい、ほんの数十年前までは、どこのお宅の部屋の中にも竹細工や竹のあしらいがあっちにも、こっちにもあったはずなのです。それが、戦後からの経済成長の中で忘れられた訳ですけんど、今またこうやって県外から来られた体験型の修学旅行の生徒さんたちが見た事もない虎竹を手にとり、はじめて触る竹を職人に手ほどきを受け、隣のお友達にならい、ぎこちない手付きで花籠の形に仕上げていく。まっこと見ていて嬉しくなる光景ながですちや。
インターンシップでは花籠作りのDVDをみながら学生さんたち自らが助けあい、それぞれが一つの花籠を仕上げていきます。学生さんにしろ、修学旅行の生徒さんにしろ、この虎竹の里のにしかない竹で、自分の編んだ、たった一つの花籠を大事そうに持ち帰る姿は、いつまでも見ていたい気持ちになる光景ながぜよ。