今ではあまり考えられない事ですけんど、一昔前は、小さなザルなどを手に持って魚屋さんや八百屋さんに行ってその日の食材を、その日の分だけ買ってきていてそうながです。自分の小さい頃には、手提げの買い物籠をもったお母さん方をよく見かけよりましたが、さすがに、ザルそのものを持ってという事はほとんど見た事はありませんでした。
もしかしたら、商店の少ない田舎やったからですろうか?遠くまで買い物に行くからザルでは不便だったから...。いやいや、都会でも、それは同じ事ですろう。色々考えてみて、どうやら小さいザルというのは、もう少し前の時代ではないかと思うちゅうがです。もともとは近所のお店には竹籠やザルのようなもので、お買い物に行きよったのが手付きのものが便利だという事になって、だんだんと手提げなどが普及したのではなかろうか?ご年配の竹職人さんなどと話しをしていて、そんな事を勝手に想像しゆうがです。
このスズ竹の手提げかごも、高知県などでは、あまり目にする事のない商品なのです。白竹の豆腐かごと同じように昔から豆腐を買いに行く時に使われていた籠だそうですので、その籠が進化して手付きになったがやろうか?
そう言うたら高台のような足が付いちょりますし、持ち手部分の立ち上がりや格好そのものも現代風な感じですちや。素朴さの中にモダンなセンスも感じる竹籠。けんど、いっつも思う事ながですが、歴史があったり、物語のある竹細工をずっと眺めよったらそれぞれの竹達が活躍しよった頃の周りの人達の笑い声が聞こえてきそうな、そんな気がするがです。
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