日本唯一の虎竹が複雑に絡みおうちゅう。鳥の巣のようにも見えますけんど一体これは何ながやろうか?初めてご覧になられる方は、ちっくと困惑されるかも知れませんぞね。実は、これは受注生産の虎竹ヤチャラ椅子「ヤチャラ」とはヤチャラ編みの事で規則正しい竹編みとは対照的な、乱れ編みの事ながです。
乱れ編みと言うても、職人さんは何処の部分に、どうやって竹ヒゴを入れるか。きっちり把握しちゅうそうですけんどご存じない方は、適当に不規則にそれこそ、ヤタラメッタラに編んじゅうにゃあ。と、思われような竹編みではありますぜよ。
竹ヒゴ一本、一本は細く、薄くて、いくら粘りやしなりのある強靱な素材の竹と言えども、人の体重を支えるような強度はありません。しかし、この細い竹ヒゴが二重、三重に重なり、そうです、まるで自然の鉄筋コンクリート言われる竹の地下茎のように、それぞれが手と手を携えるように絡まると竹ならではのソフトな座り心地がありながら家具としての耐久性を併せ持つスツールになるがです。
そして、これは虎竹で創ったドーナツ。さっきの虎竹ヤチャラ椅子に腰掛けて珈琲と一緒にどうぞ...!と、いうのは冗談でして、これも虎竹で製作されたスツール。横から見ると、まるでリンゴのような形をした腰掛けですが、座面の中央に穴の開いたデザインで真上から見たら、向こうまで見通せる丸い空洞の開いた形になっちょります。
一度見たら忘れられなくなるような美しいフォルムと考え抜かれた構造は、まっこと芸術品のようながです。こんなスツールがリビングなどにいくつか置かれちょったら、お客様は、ビックリ仰天で腰をぬかしてしまいそうちや。まっこと、それこそ、この腰かけが必要になりそうやにゃあ。同じ虎竹で編まれた、同じ竹のスツールですけんど、まったく違う表情をした2つのスツールながです。
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