竹皮草履の夏が来ちょります

竹皮草履


竹皮草履の夏が来ちゅう...」そう言うたら大袈裟かも知れませんけんど、いやいや、もう暑いぞね、暑いです。朝方は、涼しくて心地よいと思っていても陽射しが部屋に差し込むと、もう部屋の中は夏の様相になっちょります。南国土佐とは言うていただく高知県ではありますけんど、まっこと、夏が来るのは早いがです。車の中も、室内もエアコンなしでは汗ばむ陽気やきに。自分たちは、一年中、竹皮草履を愛用しよりますが、やっぱり、本領発揮するのはこれからの季節。だから、まさに竹皮草履の夏ぜよ。まだまだご存じのない方が多いかと思いますので是非、知っていただきたいがです。


竹皮草履は竹林に入って竹皮を集める所から始まります。湿っちゅう竹皮をひろげて乾燥させ束にして倉庫に保管するがです。カラカラに完全に乾かした竹皮を今度は水に浸して柔らかくすると、まっことソフトになっちゅう。細く裂いた竹皮は、まるで、そう革の紐のようながです。そんな、しなやかな竹皮を目にも止まらないスピードでササッ、ササッと編み込んでいく熟練の職人たち。


この竹皮草履は職人の手業だけで型を整えちょります。竹皮の表、裏もありますので、しっかりと竹皮を立てながら美しい形に竹皮草履を編み上げる事が出来るまでには、ちっくと時間もかかりますけんど、その代わり、竹皮の感触が生きちゅうがぜよ。


草履裏


ただし、エイ事ばっかりでもありませんぞね。竹皮草履の履きはじめは、底部分がこじゃんと毛羽立っちょって、フローリングにキズが付く事もありますし、安定感が悪くて滑りやすい場合もありますので、2~3日は十分に注意していただきたいと思うちゅうがです。


けんど、履いていたら底部分はすぐに落ち着きますし、ずっと愛用しよったらこのとおりぞね。最初の毛羽立ちがウソのようにピッタンコになっちょりますろう?こうやって見て頂くと、毎年のようにお買い求めいただく愛用歴が数十年というようなリピーターの方も多いのも、納得頂けるのではないかと思うちゅうがです。硬く、ゴツゴツしたように見える竹皮も、お使いになられる内に、こんな感じになっていきます。まっこと、ここら辺りが自然素材の偉大なところ。いつも自分は感動するがですちや。


今年の夏は何人の方に、この感動をお伝えして竹の世界の住人になっていただけますろうか?今から楽しみ、楽しみ。


コメントする