寝る作務衣

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「竹虎さんは、作務衣しか持ってないがですか?」


たまに、こんな失礼な質問を受けることがあるがです。まっこと(本当に)、何を言いよりますろうか?自分やち、作務衣以外にも服は持っちょりますよ!20数年前に買うたリーバイスとか,大学一回生の時に大阪のファッションビルでドキドキ大汗かきながら何とか買うたギャルソンのシャツとか。あと、冠婚葬祭用のスーツ、そして、ここ一番の時に竹林に行くタキシード。どうですろうか結構、衣装持ちですろう...まあ、けんど日頃は朝から晩まで作務衣やきに、本当の事を言うと普通の服は、ほとんど必要がないがぞね。


さて、そんな自分ですが今朝は寝起きぜよ。早速、作務衣やけんど少し着ちゅう作務衣が違うようやにゃあ。何かキルティングみたいに縫い目が入っちゃある。


竹虎四代目


実は、これは「寝る作務衣」と言うて、懇意にして頂きゆうパジャマ屋さんの熊坂ご夫妻からの贈りものぞね。とにかく、このお店はパジャマの専門店でこじゃんと寝る事、にこだわっちゅう。自分など竹屋からしたら作務衣と言えば仕事着、作業着。そんな頭しかありませんけんど、この「寝る作務衣」は、そんなイメージを覆してくれちょります。さすがですちや、寝間着だけあって作務衣の形はしちょりますが肌触りがソフト、吸湿性の良い素材で寝汗もバッチリ。だから、今朝の目覚めは又最高ながやきに。


目覚めの顔を見てもろうたら、どれくらい快眠やったかお分かりいただけますろう?朝から作務衣で仕事して、帰ってきて風呂上がりにも作務衣。これで24時間作務衣生活を満喫できるがやきにまっこと感謝感激ながです、ありがとうございます!


上機嫌で起きて来てハミガキしようと思うちゅうがちや。ええっ!?何ですろうか?ああ、この竹グラスですか?軽いし、落としてもガラスのように割れる事はないし、何より口当たりが優しいき嬉しいがです。


そうそう、「山岸竹材店」と社名を大きく太くレーザー刻印してもろうちょります。そりゃあ、そうよ、自分の会社の名前ですきにこれで間違える事はないぜよ。んっ?そもそも間違えることはない?その通りやにゃあ、けんど、何ちゃあ、エイですろう。名前が入るだけで妙に愛着がわいてきますちや。まあ、そんな朝ながです。


マダガスカルへの誘い

マダガスカル展ポスター


昨年の12月の事でした、日本唯一の虎竹を使うた超ロングサイズのヒシギのお話をさせていただきました。ヒシギとは丸竹を平たく割り延ばしたものですが、とにかく、あんな長いサイズというのは今までやった事がありませんでしたので、職人も手を動かしながら、なかなか骨が折れると言っていた手間のかかった仕事でしたぞね。さて、その虎竹ひしぎが、その後どうなったか?


実は大阪は吹田市千里の万博公園にある国立民族博物館言うところの「マダガスカル 霧の森のくらし」という特別展で使われているとの事ながです。こちらの民族博物館さんは竹細工の研究などもされていて、うなぎうけ(鰻筌)作りの撮影に竹虎に来社された事もあるがです。


けんど、マダガスカルとは?前のブログでは、確か東南アジアと書かせて頂いちょりましたが、マダガスカル言うたらアフリカの横、インド洋にある大きな島国のことですろう。なんでも、そこの民家を再現するのに虎竹ひしぎを屋根部分に使うちゅうとの事ながです。


マダガスカル展チケット


そもそも渋い色合いが特徴でもあり、自慢でもある虎竹をさらにエイジング加工して、リアルな民家にしちゅうみたいです。今月14日(木)から始まっちょりますので、まっこと早く見にいきたいと、ワクワクしよりますちや。実は、つい先日こちらの民族博物館さんから招待券を頂いちゅうがです。沢山届きましたきに5枚余りましたぞね。


6月11日(火)まで開催されている展示会だそうなので、お近くの方でご希望の方がおられましたらお一人様、一枚限りと成りますけんど、こちらでプレゼント企画をはじめちょります。


「マダガスカル 霧の森のくらし」招待券プレゼント
ご応募お待ちしよります。何卒よろしくお願したいと思うちゅうがです。


竹が育毛のお役にたてる

薬用育毛剤たかんな


中学、高校の頃は丸坊主やったがです。クラスの誰よりも額が広いので大人になったら一番に禿げる、そう、ずっと言われちょりました。ところが、どっこい。すっかり毛髪が寂しくなった同世代を横目に、予想を裏切り今でも黒々としちょます。


これは若い頃に育毛剤で手入れをしてきた成果ではないかと実はずっと思うてきました。だから、「竹が育毛のお役にたてる」そんな話しを聞いた時、一日120センチも伸びる竹の神秘的な成長力、そして、無尽蔵の資源の事が頭にピンと来たがです。


竹は毎年、何の手入れもしなくてもしっかりと張り巡らされた地下茎から筍がドンドンと出てきます。スクスクの伸びる成長力は、まっこと驚くばかり。だから継続利用可能な唯一の天然資源などと言われますとおり、伐っても、伐っても使いきれないと思ってしまうほどながです。そんな竹の成分だから、そのパワーにあやかって名付けた、商品名の薬用育毛剤「たかんな」とは、まさに筍の事ぞね。髪の毛が、雨後の筍のようにという願いも込めちょります


開発者のチェユンソン先生に出会うてから自分も約2年間使いよりますが、今まで月に1度のペースの床屋さん通いだったのが、髪の毛の伸びるスピードが早くなったのか...?月に2度も行かねばならないようになっちょります。


今まで知らなかった竹の新たな一面を見たようで、竹と人はこんな関わり方もできるのだと改めて竹という素材の可能性に感じ入っちゅうがです。どうですろうか?竹は凄いですろう。


竹皮草履の夏が来ちょります

竹皮草履


竹皮草履の夏が来ちゅう...」そう言うたら大袈裟かも知れませんけんど、いやいや、もう暑いぞね、暑いです。朝方は、涼しくて心地よいと思っていても陽射しが部屋に差し込むと、もう部屋の中は夏の様相になっちょります。南国土佐とは言うていただく高知県ではありますけんど、まっこと、夏が来るのは早いがです。車の中も、室内もエアコンなしでは汗ばむ陽気やきに。自分たちは、一年中、竹皮草履を愛用しよりますが、やっぱり、本領発揮するのはこれからの季節。だから、まさに竹皮草履の夏ぜよ。まだまだご存じのない方が多いかと思いますので是非、知っていただきたいがです。


竹皮草履は竹林に入って竹皮を集める所から始まります。湿っちゅう竹皮をひろげて乾燥させ束にして倉庫に保管するがです。カラカラに完全に乾かした竹皮を今度は水に浸して柔らかくすると、まっことソフトになっちゅう。細く裂いた竹皮は、まるで、そう革の紐のようながです。そんな、しなやかな竹皮を目にも止まらないスピードでササッ、ササッと編み込んでいく熟練の職人たち。


この竹皮草履は職人の手業だけで型を整えちょります。竹皮の表、裏もありますので、しっかりと竹皮を立てながら美しい形に竹皮草履を編み上げる事が出来るまでには、ちっくと時間もかかりますけんど、その代わり、竹皮の感触が生きちゅうがぜよ。


草履裏


ただし、エイ事ばっかりでもありませんぞね。竹皮草履の履きはじめは、底部分がこじゃんと毛羽立っちょって、フローリングにキズが付く事もありますし、安定感が悪くて滑りやすい場合もありますので、2~3日は十分に注意していただきたいと思うちゅうがです。


けんど、履いていたら底部分はすぐに落ち着きますし、ずっと愛用しよったらこのとおりぞね。最初の毛羽立ちがウソのようにピッタンコになっちょりますろう?こうやって見て頂くと、毎年のようにお買い求めいただく愛用歴が数十年というようなリピーターの方も多いのも、納得頂けるのではないかと思うちゅうがです。硬く、ゴツゴツしたように見える竹皮も、お使いになられる内に、こんな感じになっていきます。まっこと、ここら辺りが自然素材の偉大なところ。いつも自分は感動するがですちや。


今年の夏は何人の方に、この感動をお伝えして竹の世界の住人になっていただけますろうか?今から楽しみ、楽しみ。


わくわくデザートの竹弁当箱

白竹網代ミニ弁当箱


こりゃあ、まっこと竹ヒゴがぎっしりと編み込まれた白竹弁当箱やちや。形もしっかりしちょりますし、傷みやすい角の部分には籐で丁寧に補強がされていて職人の物作りへの心意気を感じますぞね。このような編み込みを網代編(あじろあみ)と言いますけんど、弁当箱にはよく見られる編み方ながです。けんど、この白竹弁当箱、「ミニ」と名前が付くとおり、


「ええっ!?カワイイ......!」


思わず声があがるような手の平サイズの弁当箱ぞね。こんなサイズならご飯もいくらも入りません。えらく小食な方のための弁当箱やにゃあ。もしかしたら、こう言われる方もおるろうか?けんど何ちゃあ弁当箱と名前が付いていても、弁当箱だけに使うとは限りませんちや。小さいながらも、熟練職人の手業がキラリと光ります。丁寧に編み込まれちょりますので、大事な小物を入れる小箱としてもお使いいただけそうながです。


白竹網代ミニ弁当箱


確かにサイズが小さいので、もしかしたら大きなサイズより簡単に作る事が出来る、または、早く作る事が出来ると思われそうですけんど、実は全くその反対で、竹ひごも細く取っちょりますし、編むのにも小さいので作りづらく余計に手間がかかるがです。


どうしても大きなものと小さいものがあれば、大きなものの方が値打ちがあり、価格も高く思われがちですけんど、この白竹網代ミニ弁当箱などが良い例で、小さいからこそ値打ちがあるものもあるがぞね。


そもそも、こんなミニサイズを作ることにしましたのは、お昼のランチタイムにプラスワンして頂きたいと思うてですぞね。プラスワンというのは普通のお弁当に入りきらなかったおかずもう一品でもエイし、好きな果物や、お菓子などのデザートでもエイがです。お昼休みが、もうちっくと楽しい時間になるような、それぞれの方のお好みのモノを持って行って欲しいと思うちゅうがです。


黒竹番傘

黒竹番傘


若い頃に母からのお下がりの和傘をずっと愛用しよりました。ボロボロになっても、どうしても格好が悪いとは思う事ができず、いやいや、むしろ渋いやろう?誰も差してないきに目立ってエイちや、と、ずっと使いよりましたが最後には穴がアチコチに開いて、傘の機能を果たせなくなって遂に使う事をやめましたぞね。


けんど、それでも捨てることができず、ずっと玄関脇に立てかけちょった覚えがあります。あの当時は本店にも洒落た和傘は何本か置いちょりましたので、綺麗な布袋に仕舞われた傘をたまに触る機会もありましたが、まっこと、ここ十数年、和傘とは縁遠くなってました。そんな折り、岐阜で和傘作りに取り組む方と知り合い、黒竹柄の番傘を試作して頂いたがです。


和傘の構造上、黒竹の表皮を一部削ってしまわねばならず、ちっくと残念ではありますけんど、持ち手が変わっただけでこじゃんと雰囲気があるがぞね。重たくて、かさばるし機能的な事を言うならば、洋傘や折りたたみ傘にはかないません。使うた後は陰干しするとか、使わない時にもたまには開いて風を通すとか、面倒な事もあるがですが、その手間そのものも実は楽しかったりするがです。


そう、今はないのかも知れませんけんど、度々故障する外国製の車を、こじゃんと可愛がる方がおられましたろう?大きさや金額は全然違いますがそれに似たようなものやろうか、出来上がった傘を差したり、しもうたり、又、出して差してみたり。まっこと、せわしい一日ぜよ。


虎竹染めの黄色いハンカチ

虎竹染めハンカチ


虎竹染めとは、その文字どおり日本唯一の虎竹の葉を使うて染め上げる事ながです。前々から懇意にして頂きよります高知在住の染色作家の方にお願いしてハンカチなどを一枚、一枚染めてもらいよります。虎竹も一年中、伐採しているワケではありませんので、竹の葉を集めることのできるのも決まった時期だけなのです。染色作業をされゆう時に、何度かお伺いさせていただきましたけんど、大きな鍋でグツグツ煮だして色を出していく、見ていたらなかなか面白い工程なのです。


しかし、やっぱり自然素材。その季節により、あるいは、集めてくる竹林などにもよるのでしょうか?同じ虎竹の葉のように見えても布に染め上げますと、出来映えが全く違うがです。


虎竹葉


「このハンカチは今まで以上に美しい黄色が出てます!」


染め上げてもらった虎竹染めハンカチを手にした社員の声が弾みます。まっこと、今回届いた虎竹染めハンカチは色目が濃く強く出て、まさに春の生命の息吹を感じさせるような鮮やかな色合い。そして、それでいて、やっぱり竹だなあと感心させられるようなやさしく、温かみのある黄色ながです。


竹の葉の緑色からは、ちっくそ想像できないような色目でもあますけんど、こんなハンカチを何枚も何枚も見よったら、あの映画「幸福の黄色いハンカチ」を思い出しますぞね。家の前に高い柱をたててロープを張ってハンカチを洗濯バサミでいっぱい吊しちょこうかにゃあ。まこと、健さんもビックリする程の虎竹染めの黄色いハンカチぜよ。


雑誌「住む。」に丸ざるを掲載いただきましたぞね。

雑誌「住む。」


「住む。」という雑誌を見よったら、まっこと憧れるような素晴らしい家がいっぱい登場されちょります。別に特別豪華という事ではありません。どちらかと言うと地味で一見質素に見えるお部屋がありますが、暮らされている方のセンスを感じさせるような趣味の良さや、自然への気配り、優しさや家族への思いやりが、あちらこちらに見えよります。


そもそも日本の家の素晴らしさは縁側や土間に表れちゅうのではないですろうか?自宅の外と内との境がファジーになっていて、自然を肌で感じやすい作り。これは、美しい四季がある事と無関係ではないですろう。日本ならではの良さが表れちゅうのではないかと思うちょります。


狭い日本と言われますけんど、縦に長く、気候や風土も違いますので、その地方で特徴的な家の造りがあって面白いですが、そうやにゃあ、高知の昔ながらの家で言うとしたら長い庇(ひさし)が特徴やろうか?これは、雨の多い南国土佐で天気の悪い日の農作業や手仕事のために発達したと聞きますちや。けんど、縁側や土間にも通じるのですが、庇なども人が集いやすい素晴らしい場所の一つぜよ。今は残念ながら無くなりましたが古い竹虎の工場にも、長い、長い庇があったがです。


いやいや、思い出すぜよ。そこに枕木を敷き詰めて竹材料や製品を高く積み込んだり、機械や道具を仕舞うスペースに使うちょりました。日が照るにつけ、雨が降るにつけ、ここに竹職人さん達だけでなく、近所の方や近くを通りかかった方まで集まってワイワイガヤガヤ。いっつも笑顔が広がる場所やったぞね。


さて、この雑誌「住む。」に掲載いただいたのは竹の丸ざる(特大)。平たい形が庭のお手入れ時にも雑草を入れる、ハーブを持ちかえるなど色々と使い勝手がよいとご紹介いただいたのです。


この竹丸ざるは、竹ひごを横から見るとカマボコ状になっていて、洗って載せた野菜でも何でも水きれが良いのがエイところですが、昔ながらの職人さんが分業しながら、しっかりと一枚を作りあげちょります。なので、お求めやすい価格でありながらこじゃんと丈夫なところも売り物。屋外でのご使用も安心してお任せいただけますぞね。


ふたつの虎竹ペン

虎竹つけペン


これは精悍な面構えの虎竹ペンですぞね。文字を書いたり、線を引くたびにインクを先に付けて書くタイプ。いわゆる、つけペンながですが、虎模様と、先端に開けられちゅう穴が目玉のように見えてまるで大空を自由に飛び回る鷹か何か。こじゃんとスピードを出す鳥のようやちや。日頃、つけペンなどは、あまり使う事がありませんが、面白い線が引ける事と忙しい毎日に、文字を書くことの楽しさや、ゆとりのようなものを思い起こさせてくれるがです。


竹製のつけペンは意外と種類も多くて、見かける度に手にしちょりますので数本持っちょりますが、特にこのペンは虎竹という事。そして、持ち手に籐がしっかりと巻かれちょって手に馴染み使いやすそうなので気に入っちゅうがです。


虎竹ペン


同じ虎竹のペンでも、こちらは、もうちっくと手が込んじょります。自分は水性ペンを使う事が多いので中身は水性ペンなのですが、このペン一つとっても色々な思い出があるがです。


大阪で手作りペンの工房があると聞いて訪ねて行くと、なんと、その場所は親戚の米屋のすぐ裏手やったがです。見慣れた下町だと思っていたら、それもそはず。学生の頃、この親戚の紹介で働いていたバイト先は目と鼻の先。これは、縁があるにゃあと思って話しをしていたらやっぱり話が合うて、


「お宅は竹虎だから、虎模様にしときなはれ」


と、アセチロイド製の本体を虎模様に作ってくれたがです。ペンは専門外でしたけんど手先の動きや、しぐさを拝見しよったら、その腕前は伝わってきますぞね。そうやって仕上げていただいた本体を使い完成させた虎竹ペン。最近は竹筆で書くことが増えたのですがたまに、これで手紙でも書きたくなる事があるがちや。なんと、ハガキをデスクに置いてから


「さて、誰に書こうかにゃあ...。」


冗談ではなく、本気でそんな事もあるがです。けんど、使うと、やっぱり気持ちがゆったりしてくる。エイ道具は使うだけで心が豊かになりますちや。


竹屋のリヤカー

リヤカー


最近ではリヤカーというモノをあまり見かけなくなりましたぞね。虎竹の里では、つい先頃まではバイクに取り付けたり、人が引いたりしてリヤカーは普通に道を走りよりました。そう言うたら見なくなったにゃあ...そんな感じで、いつの間にか周りを見渡しても見かけなくなり、今では竹虎にも一台あるだけになっちょります。


さて、竹虎で使っているリヤカーには荷台があって、積み込んだ竹や荷物が落ちないように箱形になっているのですが、こちらの竹屋さんで見かけたリヤカーにはそれがないがです。ありゃあ?荷物が載せられないのでは?だいたいの方がそんな風に思われるがではないろうか?こんな二輪車だけのもの、どうやって使うがやろう。


竹を積んだリヤカー


実は長い長い竹を載せて、こうやって運びますので荷台には何ちゃあなしなのです。それにしても立派な竹やにゃあ。青空に竹が映えちょりますぜよ、気持ちがエイちや。けんど、この伐ったばかりの竹は重たくて、これだけの本数を荷台に載せるとかなりの重量やと思いますけんど、微妙なバランスで竹の両端を浮かせて運んだら楽々ぞね。これを肩に担いで運ぶことを思うたら、こんなに便利な車はないがちや。


竹を満載しちゅうのを見てから改めて、さっきの空の二輪車を見たらタイヤも分厚いし、金属のフレームも太いし、なるほど、これなら力仕事がガンガンできそうやちや。えらく頼もしく、格好良く見えてきませんろうか?他の所にいたら、どうかは知りませんけんど竹屋では重要な現役の主力選手ながですぞね。


人生は出会いで決まる

岸本塾長


人生は出会いで決まると言われちょりますが、まっこと、その通りやと思うがです。自分たちの虎竹は日本唯一でイギリスから取材に来られたりする、こじゃんと貴重な竹という事は百も承知しちょりました。曾祖父さんの代から100年続く老舗というのも分かっちょった。


けんど、そしたら、その竹が皆様の生活にどう結びついて、お役に立てているか?「笑」という文字は「竹」に「人」と書くのに、その竹の向こうに人の笑顔が全然見えなかった時期があるがです。これは毎日キツイ思いをしましたぞね。仕事が3kで身体がしんどいとか、休みが無いとか、大嫌いなヘビがいるとか(笑)そんな事は正直いくらでも頑張れると思いよりました。けんど、自分たちの進む方向が分からない、道が見えない、これほどキツイと思うた事がなかったがです。


そんな時に、出会うた一人の師匠とも言うべき方。この方に竹虎は救われ、導かれ、もう何年も前になくなっていたかも知れない虎竹の里の竹の仕事をどうにか続けてこられちゅうがです。だから、まっこと出会いぜよ。自分は京都でTシャツ販売をされよりますイージー岸本栄司という方に人生を大きく変えてもろうたがです。


ネットショップコンテスト、竹虎四代目


老舗竹虎とインターネットの取り組みは珍しい事やったろうか?けんど、確かに新しい技術を使うた情報発信ではありましたけんど、日頃、お客様にお話させていただきゆう事をそのままパソコンの画面に置き換えたというだけの事ぞね。


だから、何が良いのか分かりませんけんどそんな自分たちの試みを、ちっくと聴きたいと言うて頂いて、初めて沢山の方の前でお話させていただいたのはもう随分と前のこと、2002年の8月、九州の中小企業大学での事やったです。


それから現在まで、北は北海道から南は沖縄まで全国各地100カ所で講演、セミナーとか言うて、呼んで頂く機会をいただいちょりますけんど、話の内容はあの当時と全く変わっちょりません。ドッグイヤー言われて、リアルの世界の7年分の事がわずか1年に起こってしまう程。こじゃんと(とても)流れの早いインターネットの世界でずっと同じような事しか話してないのは実は、それしか知らないからながです。本気になれば、本気になるほど直球ど真ん中しか投げられないからです。


宮崎合宿、竹虎四代目


人の話を聴いて何か変わるろうか?何の勉強になるろうか?自分も実はずっとそう思いよりました。そもそも勉強はできませんし、頭は悪いし机に座って学ぶことは嫌いやし、人の話を聴いてどうなるがでよ?ずっと斜にかまえちょった。よう信じる事が出来んかった。けんど、岸本栄司という方に出会うて変わった。まっこと自分でもビックリしましたぜよ。


だから、もしかしたら自分のような方が中には一人くらいおるかも知れない。そう思うたら、こんな田舎の小さな竹屋のおんちゃんの話でも聴きたいと言う講演の依頼を頂いたら断れんがぞね。あの時の自分がおるかも知れんですきに、何も分かっていなかった、あの日の自分に話すつもりで行くがです。恩返しは、その恩が大きすぎて返すことはできん気がしよります。けんど、受けた恩を別の方に返していくこと、これを「恩送り」と言うそうですけんど、これやったら出来そうちや。


自分は人の話らあ言うものは鳥取砂丘やといつも話よりますぞね。ほとんどが砂で、あんまり意味のない話ですろう。けんど、その人のおる位置により、太陽の傾き具合や、見る方向により、キラリと光る砂金が落ちていることがあると思うがです。その砂金を一粒、一粒拾い集めて一枚の金貨を持ち帰らんとイカンがやき。けんど、まっことぞね。ちょっとした事で人は一歩を踏み出せる、変われるがです。ほんで人は、自分の望むものに限りなく近づける、そう思うちょります。


スズ竹弁当箱の大先輩

スズ竹弁当箱


軽くて、しなりがあつて、丈夫、通気性もある。お弁当とは、そもそもご飯を持ち運ぶためのものですき、携帯に便利な重さや、少々の事で壊れない耐久性などが重要でその要点をしっかり押さえた竹弁当は古くから重宝されてきました。


竹の弁当箱と言うても、ずっと昔は竹の皮でオニギリを包むような簡単なものから竹の種類、編み方、形によって実は色々と種類があるがですが、一般的に竹弁当と聞いて、まず皆様が思い出されるのが網代(アジロ)弁当箱ではないですろうか?


細かい竹編みで隙間なくガッシリと編まれた網代編みの弁当箱は、竹弁当箱の中の竹弁当箱と言うてもエイのではないかと思います。竹虎にもスズ竹弁当箱白竹網代弁当箱など網代編みのものがあって、特にスズ竹で編まれたものは、竹の強靱さや、しなやかさから根強い人気があるがです。そんなスズ竹製の弁当箱の年代モノ、言わば大先輩にお会いしましたぞね。


まず、何という貫禄やろうか!?見た瞬間に目が釘付けになるがです。竹ひごの色は長い月日で飴色に変わり、渋い光沢が出ちょります。一体何年前に作られたものか見当もつきませんけんど、今でも十分に現役として使えそうなくらい傷みもなく、持たれていた方の、弁当箱に対する愛情をこじゃんと感じますちや。


けんど、まっこと、竹弁当は長く使いよったら、こんな風格がでてくるがや。見比べるまでもなく新品よりも、こっちの方がずっとエイです。もしかしたらスズ竹弁当箱は新しいうちは、まだ完成品でなくて、お客様が使い込んで、使い込んで、ひとつの味のある、その方なりの完成品の弁当箱になるがやろうか。この大先輩を眺めていたらそんな風にも思えてきましたぞね。


100年通う道やきに

竹テーブル


桜も咲いて春のぽかぽか陽気の高知。お弁当を買って向かうがは、やっぱり虎竹の竹林。上着を脱いで腰をおろして、くつろぐいたらまっこと、ここがパラダイスぜよ。どこか遠くまで行く必要があるろうか?青い鳥を探して回らんでも、ここで目を閉じたら、どうやろう。


まだ山に残っちゅう虎竹と一緒にお昼を食べるがぜよ。けんど、今日は土曜日やしちっくと違うぜよ。いやいや、オニギリはいつもと一緒やけんどこのテーブルはどうですろうか?なんちゅう贅沢なランチテーブルやろうか。


日本唯一虎竹


昔ながらの景色が残り、山道が残る虎竹の里知らん人には分かるはずもないですけんど、自分たちにとったら、


100年続く道やきに


100年通う道やきに


ここから出発して、ここに帰ってくるがぞね。


火をつけるのも、鎮めるのもここ。誰に教わるワケでもないけんど、高校の時から自然とついた習慣。帰ろうと思うたら、すっかり日が傾きかけゆうけんど、美しい緑、青い空。当たり前の今日に感謝したいがです。


玉入れ籠の晴れ舞台を思う

玉入れ籠


まっこと嬉しい事に小学校や中学校、高校での玉入れ競技に竹製の玉入れ籠を使われる事が多くなっちょります。以前なら背負い籠などとしても使われていましたし、どこででも見る事の出来た六ツ目編みの竹籠。竹は全国各地にあって身近な素材やと思いよりましたけんど、意外と自然の竹と触れあう事は子供たちのみならず、大人の方も少ないようですので、もしかしたら、運動会はひとつの貴重な機会かも知れませんぞね。


竹製の玉入れ籠を持ってみたら思うたよりも軽く、しなりがあり、竹表皮を使うて仕上げた口部分などは、その堅さ、堅牢さが手に伝わるのではないですろうか?そして、じっとよく見たら竹編みの竹ヒゴの色が違うちょります。


竹材料を無駄のないように全て使うため、竹表皮部分の竹ヒゴと、その表皮を剥いだ竹の身部分の竹ヒゴと両方使って編まれちゅう。そんな所までは考えもしないかも知れませんけんど、何か模様になっているなあ......綺麗な色合いやにゃあ...そんな風に思うてくれる子供はいないですろうか?


実は、この竹の青さと、身の部分の白色のコントラストはお正月の門松を思い浮かべて頂くと納得されるように、日本人が一番気持ちよく感じる色合いやと言われちょります。竹籠ひとつで感じる自然があると思うがです。


白竹玉入れかご


白竹の表皮だけで編み込んで力竹も入れた、見た目にも美しく、普通の玉入れ籠よりも更に丈夫な白竹玉入れかごが沢山編み上がりましたちや。こうやって見ると、こじゃんと壮観やにゃあ、しかも美しい!


竹を伐る苦労、湯抜きの作業、竹ひご取りから編み込みまで、これだけの竹籠が出来上がるための時間、労力、伝統の技術。それを考えたら、これを見ゆうだけで感動しますぞね。けんど、本当に嬉しゅうなってくるのは、それぞれの竹籠たちが全国の学校に迎えられて明るい太陽の下で元気な声援に囲まれる時ですろう。


竹ヒシギの思い出

竹ヒシギ


これは一体何やろうか?パッと見には分かりにくいかも知れませんけんど、実は、丸い竹を金槌に似た専用の道具を使い叩き割って一枚の板状にしたヒシギと呼ばれるものなのです。


「叩き割る」と言うと、ちっくと語弊があって余計に分かりづらいかも知れません。叩き割ると言うより、平たく叩き伸ばすですろうか?完全に割り切ってしうまと竹がバラバラになりますので、平らになるように叩いて割れ目を入れていくのですが微妙な所で止めちょくのです。以前は、このヒシギの加工をしてくれる内職さんだけでも10数名ほどが作業をしてくれよりました。自社で製造する竹袖垣の部材として使ったり、あるいは、ヒシギそのものもお得意様に沢山お送りしよりました。


竹虎本社のある高知県須崎市安和という土地はまっこと田舎で、西も東も高い山々で遮られちょりまして、その昔は交通の難所とも言われた場所ながてずが、虎斑竹(とらふだけ)の日本唯一の産地でありますし、笹場と言う地名からして竹が沢山ありそうな黒竹の産地までは車で10分かからないという、竹屋としてはこれほど地の利のある所もないですろう。そして、この有数の黒竹の産地として知られた笹場には竹虎の支社とも言うべき加工場もあって、朝からワイワイガヤガヤ、まっことにぎやかで楽しい職場やったぞね。


残念ながら今では、この作業場はなくなりましたけんど、虎竹をトラックで運び入れる時もヒシギをはじめ他の竹製品などを引き取りに行く時にも、ホッとするような美味しいお茶を出してくれてお茶菓子を食べさせてくれてるがです。自分が日頃食べているお菓子とは違う、ちっくとレトロな感じのお菓子やけんどこれが素朴なお茶の味とバッチリ合うて美味しいのなんの。まっこと、この作業場に荷物を運んで行くのが楽しみになるほどやったちや。


楽しみは食べる事ばっかりやないぞね。内職のおばちゃんたちの面白い話しを色々と聞かせてもろうたがです。さすが人生経験が長いおばちゃんたちの話しはお腹をかかえて笑うような、のかな(可笑しい)話しから、興味津々と聞き耳をたてるような興味深い話しまで、それぞれの方がレパートリー持っちょりましたにゃあ。あれから二十数年経ちますけんど、まるで、つい間の事のようぜよ。今でも、この竹ヒシギなど見たら思い出すがぞね。


先日、虎竹ヒシギの超ロングサイズのご注文をいただいて、何に使うかと、お聞きしたら屋根使うとの事やったです。東南アジアでは、竹ヒシギを屋根に使うた家が今でもあるそうですきにそれを再現するというらしいです。こりゃあ、面白そうやちや、一回見学に行かんとイカンぜよ。


けんど、ウチの内職さんが沢山おった頃にヒシギを屋根に使うとか聞かせたかったちや。まっことビックリ仰天やったろうにゃあ。作業場の近くにあった大きな大きな銀杏の木陰の下で大きな声でワイワイと、この話題に花が咲いたろう...そんな事をしみじみ思うがです。


雑誌「お弁当日和」の表紙に掲載されました

雑誌「お弁当日和」


気候も随分とよくなってきましたぞね。桜の花も楽しみですし、春の行楽シーズンも目の前。これからの次期は、まっこと有り難い事に、色々な雑誌等に取り上げていただく事も多くなる季節ながです。


竹虎ではマスコミ掲載履歴として、今までの雑誌、新聞、テレビ、ラジオなど掲載いただいた商品、記事をすべてひとまとめにさせてもらっていますが、何と、この10年ちょっとで掲載回数277回という凄い回数ぜよ。田舎の小さな、小さな竹屋なのにこうやって取り上げていただけるのも、先人がずっと日本唯一の虎竹を守り。山の職人はじめて地域ぐるみで虎竹を育ててきて頂いたお陰ちや。本当に感謝の気持ちだけながです。


こうやって考える時、何とか諸先輩方がやってきた「竹の道」に恥じないような、自分たちならではの竹へのお役立ちは何やろうか?いっつも思っているものの、まだ先は見えないのが歯がゆいのです。


それは今回はさておき、掲載いただいた竹弁当箱は、白竹ランチボックス(小)、白竹ゴザ目弁当箱、白竹四ツ目弁当箱という3種類なのですが何と、何と、たまるかっ!びっくり仰天ながは白竹四ツ目弁当箱は雑誌の表紙を飾っちゅうではないですかっ!これは、ちっくと凄いのではないろうかと思うがです。


けんど流石はプロの方が盛りつけしちょりますにゃあ。四ツ目弁当の内側にはキッチンペーパーを綺麗に敷いてから海苔弁当やろうか?ご飯の上に大きな海苔を載せて美味しそうな焼き鮭とお漬け物。彩りがエイにゃあと思うたら海苔と鮭の間にチラリと緑の葉が見えちゅう。これは、食欲もわいてきそうながです。


この白竹四ツ目弁当箱は、四ツ目編みされた通気性の良さは見ての通りながですが、しっかりした竹ヒゴで編まれていて、持っただけでその丈夫さが伝わってきますぞね。当然、一番傷みやすい角の部分には蓋も本体にも籐で補強を入れちょります。


正午のサイレンの音が遠くに聞こえる虎竹の里の山頂で待ちに待ったポカポカ陽気の中、腰をおろします。竹弁当の蓋をあけると小さな幸せを見つけたような気分なりますぞね。


竹の屋根、竹の荷台

竹屋根


昨日は竹工房の室内での小さな竹をご覧いただきましたけんど、今日は外に出て頂こうと思うちょります。実は竹は原材料の竹のまま保管する事も多いのですが、その際には直射日光や雨での品質低下を防ぐためにブルーシートをかけたり、日よけをしたりする事が多いのです。おっと、けんどこの日よけの屋根はどうですろうか!?


さすが、「竹なら売るほどある」竹屋さんぜよ。鉄骨のフレームには適当なサイズに切断した丸竹をそのまま並べちゅう!隙間だらけなので雨に濡れる事は仕方ないものの、これからの強い陽射しを遮るのには十二分な屋根と壁ちや。この日陰に守られて竹達は自分の加工の順番が来るまでゆっくりと待つことができるがやきに。


竹荷台


そして足元を見たら、この竹の荷台はどうぜよ。木枠に割竹を並べて釘で留めちょります。せっかく木枠で作ったのなら、底も木製にしたらエイのに、いやいや縦に真っ直ぐに割りやすい竹の特性を活かして、割竹やったら簡単にできますし隙間を空けて並べる事によって通気性も考えられちょります。竹をこうやって木枠に留める場合などには、そのまま釘を打つと竹が割れますので一手間かかりますけんど、竹に釘穴を開けてから釘留めしていくがですぞね。


この竹割の簀の子状にしつらえた上に、天日干して乾燥させたい竹製品をズラリと並べていくのです。見渡したら、こんな竹の荷台があっちにも、こっちにもあるぜよ。天気の良い日など、ドンドン製造して全ての荷台に並んだらまっこと壮観やろうと思うがです。


枯れた風合いが何とも格好のエイ竹の荷台。これも竹屋ならではのニオイを感じます。幼い頃、タオルを頭に巻いた大人たち、大声で笑う、優しい大人たちに囲まれた、あたたかな時間を思い出して、こじゃんと嬉しいがですちや。


竹の鞘(さや)

竹鞘


使い込まれた刃物の柄は真っ黒になり、丸みを帯びた角の部分は渋い光沢のようなツヤがあるがです。短くなった刃も年期を感じさせますが。その刃を納める鞘も、どうやら、それ程新しいものではないようぞね。竹職人さんの使う道具はいつ拝見させてもろうても、身近な竹素材を上手く自分なりに活かしちょってこじゃんと魅力的ながですが、この白竹を使うた鞘もなかなか味があります。


竹細工に限ったことではないですが、職人の世界は元々は徒弟制度で親方がおって、そこに丁稚のような形で仕事を覚えるのが普通やったがです。だから古い竹職人の方の持つ道具は師匠から譲って頂いたと言う明治の頃のものがあったりしますが、腕の良い職人さんほど、そんな道具達をまるで我が子のように大切にしちょります。


道具を大事にして手入れして、更にその道具を工夫して更に使いやすくする事が、より美しい竹製品を、より早く作り上げる事になりますきに。道具を拝見させて頂いただけで職人さんの腕前が分かるのは、まっこと自然な事ながです。


虎竹、白竹など立てかけられた竹素材の足元には、細く割られた竹や竹の切れ端、竹屑があちらこちらに見えています。大さきも様々な竹ざるや、竹籠など竹製品に囲まれた工房では、シュッシュッ......シュッシュッ......。竹籖を取る音だけが聞こえてきよります。自分の出番はいつやろうか?じっと、ご主人さんに声をかけられるまで、竹鞘の刃物は、静かにじっと待ちゆうがです。


節付きの竹スプーンの使い方

極上竹スプーン


極上竹スプーンをご存じですろうか?「極上」と名前に付くほどですきに、普通にある竹スプーンとは少し違いますぞね。まず見た目に太さが全然違いますきに、太いから極上か?そう聞かれたら、半分イエス、半分ノーやにゃあ...。


ただ単に持ち手が太くて、持ちやすいというだけではなく、竹は表皮に出来るだけ近い方が繊維が細かく密集していて堅牢ながです。極上は、この表皮近くの良質の部分だけを使って加工されよります。手に、しっくりと馴染み使いやすさは当然の事ですけんど、毎日の生活の中で長く愛着をもってお使いいただける工夫が「極上」という言葉に込められちゅうのです。


けんど、まっこと嬉しいと思うのは、こんな竹スプーンをご紹介させていただきましたら沢山のお客様から色々なご感想、ご意見を頂ける事ぜよ。ありがたい、お声のひとつに竹の節を残せないだうろか?


そんなお客様のご提案があったがです。考えれば竹の節というのは竹ならではの特徴でもあり、誰がみても一目瞭然の竹だけのデザインぞね。早速試作してみたら、これがたまるか!思いよったより、こじゃんとエイ出来映えぜよ!思わず膝を打って身体を乗り出しそうな、その出来映えに自分たちも納得して、定番の商品にさせていただくことになったがですぞね。ちっくと大袈裟かも知れませんけんど、竹虎をご支持しただくお客様との「共同開発」ではないですろうか?


竹スプーンの節付きを販売させていただくようになり、やっぱり同じようなご感想を沢山の方が持たれちょったようで、お陰様で好評となっているのですが、この竹節は見た目の美しさ、面白さという事だけではなく、竹スプーンを裏返しに、つまり竹節の方を食卓につける様にして置くとスプーン皿の部分が浮いた形となり衛生的でもあるがです。こりゃあ、まっこと考えもしなかった使い方ちや。見た目プラス機能的な節付き竹スプーン。自分も愛用して一番エイと思うのは口当たり。これからも少しづつ広まっていきそうな予感ぜよ。


竹根の入荷

竹根


青々とした今年の竹根を見せていただきましたぞね。このような竹の根っ子部分を一体何に加工していくのだろう?若い方など竹にあまり親しみのない方は分かりかねるかも知れませんけんど、一般的に一番馴染みのあるものを色々考えたら、まず、ブランドバックの持ち手などやったらご存じの方も多いですろう。竹根を使うた有名ブランドのハンドバックを、たまに見かける事もあるがです。


それから他に言うたら、そうぜよ、あれあれ。チャップリンの持っちょった杖、あれは日本製の竹根で製造されたものぜよ。ええっ!?チャップリンは知っちょりますろう?山高帽とチョビ髭がトレードマークの世界的に有名な喜劇俳優ですけんど、自分たちにとったら、いつも腕に提げている竹根の杖の方がよっぽど印象的ではあるがです。


まあ、あの竹根の杖は実際に歩行の補助的に使うというより、細身で飾りのような、ファッションとして持つ杖だと思います。本当に頼りにして使える竹根の杖は、もっともっと太く丈夫なもの。最近はそんな太い竹根の材料がなく、竹虎にも自分が愛用している古い竹根ステッキが一本あるだけながです。


「地震になったら竹藪へ逃げろ」こんな言葉をご存じですろうか?


小さい頃から聞かされちょりましたが、竹林で竹根が縦横無尽に走り、天然の鉄筋コンクリートと呼ばれるような、堅牢な地面になっているのを見るにつけ納得しよりました。細い竹根は竹林の切り立った斜面などから飛び出しているのを伐り取って来ることができますけんど、竹根を掘り起こすと言うのは大変な重労働ちや。だから、山の職人さんでも竹根を集められる方は、もう、ほとんど残っちょりはせんがです。


さて、この細い竹根たちは何になるがやろうか?スプーンやフォークの持ち手に使われたり、様々な竹製品の一部にワンポイント的に使われたり。実は結構用途もあるのです。竹の節が間隔せまく並んじょりますので、そのデザインの面白さもありますし、誰が見ても竹と分かりやすい。日頃は地面の下にあって人目に付きにくい竹根ですが
、いったん日の当たる場所に出てきたらなかなか人気ものではあるがです。


日本唯一虎竹部

竹炭飴


皆さんは学生時代にはクラブ活動されよりましたろうか?自分の学生の頃言うたら、高知は野球王国とも呼ばれ、まっこと何と言うたち野球が盛んでした。そこで、自分も小学校、中学校と野球少年やったがぜよ。高校に入ってからは、全国的にも少し珍しいクラブに入りましたぞね。入ったと言うか、入れられたと言うか、それが、明徳クラブ言うがです。


そうです、自分は中学、高校と明徳義塾でしたきに、その校名の付いた由緒正しいクラブ...と思いきや、あまりそう言う訳でもありませんでしたが。まあ、とにかく楽しく、元気に毎日過ごさせてもらって、まっことエイ想い出がいっぱいの全寮制の高校生活やったちや。さて、学生生活を経て、しばらく「クラブ」というモノからは遠く離れちょりましたが、何のひょうしにか、昨日、クラブ活動を復活させましたぜよ。新しく作ったクラブは【日本唯一虎竹部】。


「虎竹部......!?」


そうぜよ、虎竹部。何をするかは決まっちょりませんけんど、そのうち、日本唯一の虎竹林でも見学していただくツアーでも出来たらエイにゃあ。ブログをご覧いただきよります皆様の中にも、入部希望の方はおられませんろうか?フェイスブックの中に部室をこしらえましたぞね。日本唯一虎竹部、入部申し込みこちら

こんどの日曜日3月10日までに入部の方には、抽選で10名様に、こじゃんと(とても)嬉しいプレゼントのチャンスぜよ。先月作った竹虎オリジナル竹炭キャンディーは飴職人さんの手作りやったですので、少し失敗作のような飴もあるのです。味や品質には全く問題ありませんきに、このキャンディーを3~5個セットにして賞品としました。是非、入部して(そんな大袈裟なものではありせん)竹炭飴を当ててください!!!


手提げ籠には、新鮮野菜が満載

白竹八ツ目角籠バック


ある時、ふと立ち寄ったお寺の境内で骨董市をやりよりました。古いものには味がある物が多いですちや。まっこと(本当に)見るだけでも楽しゅうになってきます。ご年配の方々が見たら懐かしいものも、若い人の目から見たら今まで見た事も使った事もない新鮮で未知な道具であったりしますので結構面白いものながです。


さて、そんな中に映画「男はつらいよ」に出てきちょりました、主人公のフーテンの寅さんが旅に持ち歩くような革製のトランクがありましたぞね。角張った形、使い込んだ革の表情、しっかりとした持ち手、何とも格好が良くて見入ってしまった事があります。そのトランクは高価なものでしたので、若かりし日の自分が手にする事はなかったのですが、ずっと、あのフォルム、色目などは目に焼き付いたままなのです。そんな鞄を竹で表現できないかと思うたのが、今回新しく仲間入りさせて頂いた白竹八ツ目角籠バックぜよ


竹籠の野菜


角張った形や、合計で八本も入れた太めの縦の力竹など、あの時の革トランクの自分のイメージそのものながです。出来上がった試作の手提げ籠を持つと嬉しゅうになって、ついつい近くの野菜売り場に出かけて行って好きな野菜や果物を、あれこれ買うてみましたぞね。たまるか、それでも結構遠慮気味に籠に入れたつもりが、取り出してみたら、こんなに入っちゃある!まっこと、びっくりの容量ちや。


ゆとりの大きさの竹籠です。男性の方に持ってもらいたいと思うて作ったがです。自分の年代以上のお父さんやったら、小さい頃お母さんがこんな竹手提げでお買い物行きよったのを覚えちょりませんか?下から見上げよったお母さんの笑顔を思い出したら、さあ、お父さん方もたまには、こんな竹籠を手に持ってお近くのスーパーに行くがぜよ。今度は、奥様の笑顔を見られるかも知れませんぞね。


ウルトラ蒸し生姜紅茶

国産竹ざる


お客様から「ウルトラ蒸し生姜」なるものを聞きましたぞね。ウルトラ......?ウルトラ言うたらウルトラマン世代ですきに怪獣アニメの事ばっかり想像してしまって、一体、何の事やろうか?それこそウルトラマンのように、「ピコン、ピコン、ピコン...」頭の中のカラータイマーが鳴り響きよりましたが、NHKの人気番組「あさイチ」でも取り上げられて、こじゃとん注目されている生姜の調理方法の一つながです。


寒い季節はだいたい過ぎましたけんど、ショウガの一番の効能は冷え症対策ではないろうか。特に女性の方の冷え症というのは冬だけの問題ではなくて、エアコンを使う夏場でも多いと聞きますのでこれは一年中使えるお話のようながです。「ウルトラ生姜」より更に効果的な「ウルトラ蒸しショウガ」。「ウルトラ」よりも凄いと聞きますと期待せずにはおれませんぞね!


作り方は、生姜の縞模様にそって薄くスライスしたものをクッキングシートを敷いた蒸籠や蒸し器で30分程度蒸します。そして、天日やったら1日、室内では1週間ほど干して出来上がり。生姜にはショウガオールいう身体を温める成分があるそうやけんど、なんと、ただ乾燥させる場合と蒸してから乾燥とを比べると蒸すという工程を加えただけでこのショウガオールが1.2倍になるそうちや。なるほど、それで「ウルトラ+蒸し」に成るがやにゃあ!


さて、天日干しの工程には梅干しの土用干しにも大活躍する竹ざるの出番ぜよ。竹虎で扱う竹ざるは色々ありますが、もちろん全部国産のものばかり。昔ながらの竹編み職人が丁寧に編み上げた日本製の竹ざるやき安心しとうせよ。


おっと、そうぜよ。農家さんでも干し野菜など多用されてきたもエビラかご(竹編み平かご)も四角い形で効率よく場所を使えますし、アドバイスを頂いて都会用に半分のサイズを製作させていただいてベランダなどに吊せるよう、紐を通せる穴も作っちょります。ぜひ、お役立ていただきたいと思うちゅうがですぞね。田舎では昔から愛用...いえいえ、愛用というよりも当たり前のように生活に溶け込んだ道具たち竹編みの平かごが時代を越え、地域を越えて活躍できる、まっこと嬉しい事ぜよ。


そんな竹編み籠で乾燥させて出来あがったウルトラ蒸し生姜は常温で3ヶ月程度保存できるそうですけんど、自分も毎日愛飲しよりますショウガ紅茶にしたらこじゃんと(とても)美味しく頂けますぞね。


前々から何度かお話させて頂く事もありましたが、この、しょうが紅茶飲みだしてもう10年近くなります。高知県はショウガの産地としても有名で、近くにショウガ畑も沢山あってから身近に感じる事もあってずっと続く習慣となっちゅうがですが、まっこと(本当に)この冬もお陰で風邪知らずやったです。皆様にもオススメしたいウルトラ蒸し生姜紅茶ぜよ。


河井寛次郎の竹家具

河井寛次郎の竹家具


河井寛次郎という方をご存じですろうか?こじゃんと有名な陶芸家であり、書もされるし素晴らしい彫刻なども残された日本を代表する芸術家の一人ではないろうか?


芸術家という言い方は、もしかしたら少し違うかも知れませんけんど、作風を色々と拝見させて頂きよりましたらどうも創り出すものに思想があり、アートの香りもするがです。誰にも譲れない哲学と共に、遊び心も感じてまっこと知れば知るほど好きになる、魅力的な方ながですちや。最初は一見無骨とも思えるような、ひとつの焼き物に足がとまり、河井寛次郎という人を知り、数年来ずっと行ってみたかった。京都にある河井寛次郎記念館を訪れる機会がありました。


勉強不足で、この高名な陶芸家の方の事も実はあまり存知上げず、記念館が一体どんな所かも予備知識がありませんでしたが、自宅であり創作の場でもあった、この記念館そのものの素晴らしさ、ひとつ、ひとつの調度品を拝見するだけで、この作家の偉大さが、静かな室内からビシビシ伝わったくるがぞね。


竹家具


けんど、囲炉裏のある部屋から動けませんちや。どうしてち?この竹の家具ぜよ。なんと堂々とした風格を感じさせる竹の棚。聞くと寛次郎が昭和14~15年頃にデザインして、台湾の竹職人さんに作ってもらった物だそうながです。台湾や中国にも竹は沢山あり身近な素材ですきに、古くから、このような竹家具は作られちょりました。


それにしても、この雰囲気のある古民家の中にあって、これだけの存在感と迫力を発し続けられる竹家具とは、さすが寛次郎のデザイン力と言う事かも知れませんちや。まっこと、この部屋から出られなくなったぜよ。この棚に袖を掴まれちゅうような気になってくる。仕方がないので近くにあった椅子に腰をかけたがです。どうですろうか?見れば、見るほど70数年という時間を超えた竹の輝き。竹は、こんな色ツヤに成長するがやき。まっこと、たまらんぜよ。


竹炭パウダーの週末

竹炭パウダー


週末に、にわか料理人になられる方はおりませんろうか?普段は持った事もない包丁を使う、フライパンを振る、鍋をかき混ぜる。実は、あまりする機会はないものの自分も結構好きな方ながです。毎日の料理に大変な奥様方からしたら、何と気楽な事を言いゆうろう...と思われるかも知れません。


けんど、男子厨房に入らずと言われたのは遙か昔の事。現代では、自分のように休日にキッチンに立つことがストレス解消の一つになるような気がしちょります。もちろん、これが連日やと、とてもガマンはできませんぞね。まっこと、たまに、しかも気楽に何のしがらみも予算も関係なくできるので、半日くらいタップリ台所でアレコレやっても楽しいがです。


さて、お父さん、料理も上級になってきたらパンを焼いたり、クッキーやケーキ作りなどもされちょりませんか?もし、ご家族の方やご友人、ご近所の方などアッ!?と言わせたいと思われていたら秘密兵器がありますぞね。そう、それが竹炭パウダーぜよ。竹炭の微粉末を3%くらいを目安に混ぜて焼きますと、これが黒々としたパンに焼き上がりますので注目度と言うたら凄いものがありますちや。


そして、それがデドックス効果などと言われて特に女性の方には人気ですので、お父さんも日頃の感謝の気持ちを込めて奥様にどうですろうか?きっと株が上がるに違いないですき。一回お試しされてもエイかも知れませんぞね。


竹の紐で仕事する職人

竹ざる


近くの山に入って伐り出した竹は節間も伸びて、まっこと見事な竹ぜよ。その長い竹を肩に担いでもくもくと運ぶ竹職人。竹は元が太くて、ウラ(先端)は細くなっちょります。身の厚さも全然違いますので、当然両端の重さが違うがです。その上、伐ったばかりの竹は水分が多く生々しくてズッシリと肩にくる。そんな竹をバランスよく担ぐには、ちっくと経験もいりますぞね。最初はバランスが上手にとれずにフラフラ...フラフラ...。


「こりゃあ、イカン、本当に肩の骨が折れるがやないろうか?」


そんな風に思うほど肩は痛いし、方向が定まらないし、竹は小学校の頃から担ぎよりましたがこれが、なかなか慣れるまで大変やったにゃあ。けんど、不思議なものですちや。一旦コツを覚えたら、どんな長さの竹でも、どんな束の竹でもヒョイッと重心を測ったように担ぐ事ができるようになるがぜよ。職人さんの仕事を拝見しよったらそんな遠い日の事を思い出したりしますぞね。


天気のエイ、昼下がりに竹編みの工場に入ったら編みかけた竹籠がひとつ、ふたつ置かれちょります。これから縁巻きをして仕上げていく竹籠には型くずれしないようにと、中央の部分を紐で縛って固定されちゅうぞね。なるほど、なるほど、そうながやにゃあ。普通やったら、それだけの事ですがよくよく見たらこの紐、普通の紐ではないがです


「ええっ!?何と、竹ぜよ!!!」


竹を細く細くして紐替わりに使うているのです。さすがに昔ながらの竹細工の現場は違うちや。何ちゃあ、もっと使いやすいロープもありそうなものですけんど、熟練の職人さんは言うこと聞きません。ずっとやってきた自分のスタイルがあるのです。


そう言えば虎竹の里の山の職人さんの中には、ナタ一本だけもって竹林に入り、伐った竹を束にするのに、商品にならないような二級品の竹をササッと割って節をはらい細く割った竹ヒゴを紐代わりにして竹の束を又ササッと縛る名人がおりましたちや。竹の束は、さっきも言うた通り伐ったばかりなのでかなり重たいのですが、その竹ヒゴで二箇所縛るだけで、しっかり束になっちょりました。格好のエイ、しびれる職人と言うのは男も女も、若いも年寄りも関係ないきに。こんな仕事ができる人ながです。