竹には当然ですけんど枝が付いちょります。山からの伐りだしの際には、運ぶのに邪魔になりますので、だいたいはナタで切り落としているのですが、枝の付け根の所は、そのままで竹虎の工場に運ばれてくるがです。そうやって運ばれてきた虎竹、枝の付け根部分ですが、このままでは油抜きの加工もできず製品なりませんので、ひとつ、ひとつ取り除いていく事になるがです。
ウラ(竹の先端のほう)方向より、元からナタなどで払っていけば早いし、簡単ですが、それでは大事な虎竹模様のついた竹表皮までキズつけてしまいます。そこで、その枝の付け根部分には、まず軽く鋸で切れ目を縦に入れ、鋸の背中でトントンッと叩いて取り除いていくがです。
自分の小さい頃には、竹が今とは比べようがない位、出荷されよりましたので、この目打ちと呼ばれる作業を朝から晩までやっていただく専門職のようなおばちゃんが常におられて、トントンッ、トントンッと軽い音をさせて、枝の付け根をとばしていたのを覚えちょります。さてさて、そんな作業が終わる日の傾きだした夕方頃、目打ち作業の現場に行ったらあたり一面が絨毯を敷いた様になっちょりますぞね。そうぞね、竹目打ちの絨毯ぜよ。
こんな小さな、ひとつ、ひとつですけんど、掃除して集めてザザッーーーと一輪車に載せて運ぶとなると、実は結構な重量があって驚きます。学生の頃、ちっくと手伝うた時には、ええっ!?と、意外に思うくらい重くて倒しそうになった程ですちや。塵も積もれば山となる、と言われますけんど、小さな、ひとつ、ひとつがまっこと、凄いものやにゃあと思うたものながです。
コメントする