雪の便りが聞こえてくる日本列島ですけんど、南国高知の冬はこんな感じぞね。自分の小さい頃には雪もチラホラありよりましたが、ここ最近では、海に近い平野部や虎竹の里ではほとんど雪が降るとか、積もるという事はなくなっちょります。そんな中、真竹の湯ぬき作業は、この季節の風物詩のひとつ。竹虎は、虎斑竹(とらふだけ)ばっかり扱うので、竹虎という屋号になった歴史もありますが、真竹なども少しではありますが製造して取り扱いゆうがです。
虎竹の他には最近少なくなって、取り扱いのなくなった竹も含めると、黒竹、孟宗竹、女竹(めだけ)、図面竹、煤竹、亀甲竹、布袋竹、スズ竹...色々あるようですが、竹は国内でも600種類を越えるほど多様な植物。実は、これでもほんの一部ながです。そうぜよ、関心のある方は、よかったら「竹の世界」言う、竹の事が分かる簡単なページをご用意しちょりますので、是非一度ご覧いただけたら嬉しいがです。
竹虎の湯抜き作業は工場の外の専用釜でやりよります。長い真竹をそのまま、お湯に浸けますので、長い筒状の釜ですが寒い季節の事です湯気が立ち上り、煙突から煙りがたなびきます。小さい頃から見慣れた仕事。沢山積み上げられた青竹、竹を拭きあげるウエス(汚れを拭き取る布)ズラリと並べられ天日干しされる美しい白色に変わった竹。
ずっと、当たり前の光景やと思うてきました。他の所に行っても、どこでも同じような工場があるがやろう...。けんど、どうやら違うようです。この虎竹の里で続けてきた仕事は、他の地域では、もうあんまり見る事も出来なくなりつつある竹の生業。どう守り、どう続けていくのか、夕日の沈む向こうにみえる虎竹の古里、焼坂の山の大きさに小さい、小さい自分を感じちょります。
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