虎竹の里での山だしは今日も続きよります。焼坂の曲がりくねった山道に車で登っていきますと、道路脇のアチラコチラに伐採され運ばれてきた虎竹が待ちかねたように、うずたかく積み上げらちょります。その竹をトラックに積み込み、山のふもとにある土場や田んぼまで運んでいって、一本づつ色づきや太さ別に選別作業をするのです。この時期にしか竹は伐採せず、これからの一年間、この竹材料で製造していきますので、毎年の事ですけんど、まっこと大事な作業ながです。
山道での竹の積み込み一つにしても実は色々とコツがありますぞね。虎竹には長いもの、短いもの、太いもの細いものまで山から伐り出してきたばかりなので、色々と混ざって置かれている事が多いのです。長尺の竹をトラックで運びますので、安定させるために、まず短い竹を積み荷の一番下になるように、そして、一束づつ真っ直ぐに平らに並ぶように積み込んでいきます。
こんな竹の積み込みに無くてはならない、大活躍するの道具のひとつが「手かぎ」。普通は、あまり目にされる事はないかと思いますが、たまに魚市場がテレビに映ったりしたときに、セリに参加される方や働く方がそれぞれ手にしているのをご覧になられた事はないですろうか?木製の持ち手の先端に、金属製の引っかけを取り付けた大きなマグロなどを引っかけて運んで行く、そう、アレです。
もちろん、竹虎では魚を運ぶのでは無くて、竹用に使いますぞね。荷台の上にいる社員のひとりが手にしているのが分かりますろうか?トラックの下から勢いよく放り上げる重たい竹の束を手かぎの先に引っかけて引き上げたり、荷台に一束づつ真っ直ぐに並ぶように詰めたり、竹の山出しには手かぎは欠かす事のできない商売道具ながです。不思議なもので現場にしばらく出ていなくても、手かぎを手にしたらキリリッと竹モードにスイッチが入る気がします。まっこと面白いものですちや。
コメントする