長いものをいれて背負われるとの事で、竹籠の深さを、かなり深めにした別注の背負い籠のご注文が来ましたぞね。けんど、やっぱり図面でみるだけでは分かりませんちや。実際にこうやって編み上がってから、そして、背中に背負うてみてから始めて感じる事があるがです。この竹籠は、高さが出て使い勝手が良さそうぞね。お届けした先のお客様の笑顔が思い浮かぶ出来映えに、思わず自分の方も嬉しゅうになっきますぞね。
竹籠も色々とありますが今回のような籠なら、編み方や形などは同じでサイズだけ変更するというものについては比較的容易にできますけんど、形や大きさによっては竹で編むことができないものや、こじゃんと難しいものがあります。
以前、随分昔から使われてきた竹籠が古くなって、同じものをというご要望を頂いた事があるがです。お客様自ら竹かごをお持ちいただきましたけんど、古い竹籠は当時の名人と呼ばれるような、ビックリするほどの素晴らしい出来映えの竹籠でした。
竹製品が生活の道具として活躍しよった時代には、毎日同じ竹編みをずっと何十年も続けられて、まさに逸品と、うなってしまうような凄い竹細工を生みだす職人さんがおられたがです。しかし、いちど途絶えた技というのは、なかなか元に戻りません。残念ながら今では同じ籠ができない事もありますぞね
昨年、竹籠の名人と言われる方の仕事を拝見する機会がありました。一堂にならべられた竹からヒシヒシと伝わったきたのは、プロとしての誇り、竹で生きていく懸命さと覚悟のようなものやったです。このような気概を持つことも、もしかしらた今、必要とされちゅうかも知れませんぞね。
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