編みかけの米研ぎざる

米とぎざる


丸く円を作った竹ひごに行って戻り、行って戻りして編み上げていく竹ざる。主にお米を洗ったりするのに使いますので米研ぎざると呼ばれよります。普段、皆様が何気なくご覧になられている竹ざるです。横編みという技法で編まれちょりますが、実は、こじゃんと難しい編み方で国内で上手に編む事のできる職人さんは、まっこと少なくなっている竹細工の一つながです。


けんど、この編みかけの米研ぎざるの職人さんは見事な腕前。まだ、完成はしちょりませんが綺麗な丸い形、一本一本の竹ひごの編み込みの丁寧さ。美しい竹細工は、編み上げる過程そのものでも人の心をつかみ、離しませんぞね。竹ひごに立体感があるのがお分かりいただけますろうか?米研ぎ笊は水切れが大切ですので竹ひごを平たくするのではなくて、極端に言いますとその断面図は三角形かカマボコ状のような形ぞね。こうする事によって、水切れが早い竹ざるになるのです。


まだ青々とした竹ひごで清々しい感じがします。「青物」という呼び名は、この青竹の色合いから来た呼び名ですが、青物の籠の本領発揮は、お客様のお手元に届いてから、実際にご愛用いただく中で色が落ち着いてきて、白っぽくなり、何年も何年も使っているうちに今度は色が段々と飴色のように変わっていきます。前にも言うたかも知れませんけんど、青物の竹籠は、使う方と一緒に成長する竹籠ながですぞね。


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