皆さんがご存じのように竹は中が空洞になっちょります。一本の丸太があったとして木の場合やったら、その丸太すべてが材料として使う事ができますが、竹の場合は中が空洞やきに、竹細工用、竹製品用として使えるのはその外側、表皮部分の身の厚みのところだけと言うことながです。そこで、問題になってくるのが、この身の部分の厚みなのです。極上竹しゃもじの手にもった時の持ち心地、感触の良さは身の厚い竹を厳選して製造されよります。
この辺りが木と違って竹の難しいところでもあるかと思うのですが、この竹の身の厚みも元の方は肉厚ですがウラ(竹の先端)の方に行けば行くほど身が薄くなっちょりますので、極上竹しゃもじの場合ですと、直径の太い良質の孟宗竹を選んで伐採したとしても元の肉厚の部分しか使う事ができませんきに、1本の竹から、わずか10本分の材料しか取れないのです。竹工場に置かれちゅう肉厚の竹素材をご覧になられて、ああ、こんな竹で竹しゃもじが作られてるのかと単純に思われますけんど、実は、この材料を用意するためにはこの何十倍もの竹が必要とされちゅう事も知っていただきたいと思うのです。
もちろん、1 本の竹を無駄のないように有効に活用しますので、元の部分を肉厚な商品に使うたらウラの身の薄い部分は、薄くても大丈夫な商品用に使われていきます。こう考えたら、製造する商品もまんべんなく作っていかないと竹素材に余ったり、反対に足りなかったりするモノができてくるがです。何か一つの商品だけが大量に売れる事があったりしますと、コスト高になって、実はあまり嬉しくなかったりする場合もあるがぞね。
まっこと(本当に)愛すべき、ややこしい竹素材ですちや。
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