先日、九州大学の先生にお会いする機会がありましたぞね。九州は筍の生産でも、こじゃんと(とても)有名な所です。筍と言うたら孟宗竹という大きな竹で生産されますけんど、そもそも中国から孟宗竹が渡来した場所は京都か、もしくは鹿児島と言う説があるくらい。今では全国一の竹林面積を誇るのが鹿児島ですし、福岡県の八女(やめ)はタケノコ生産で日本一やったと思います。また、高級な筍でも、京都の筍と同じくらい北九州の合馬(おうま)の筍は知られちょります。南方系の植物である竹は、暖かい九州の土地が成育に合うているがですろう。
さて、そんな九州でお会いした先生から頂いた一枚のポスター。筍生産のアレコレがコンパクトに分かりやすく掲載されちょります。面白いにゃあと感心するのが竹年令を見分ける目安の所。1年竹から8年竹まで経年でこんな風に変化していく。そんな様子を写真で紹介しちょります。これは、一般の方も見て「なるほど」と思われるかも知れませんちや。竹は3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長する。不思議な力をもった植物ですきに。木のように太さや高さで年令を見分ける事ができないのです。
竹の年令の見分けるポイントは大きく3つあるがです。まず、一つ目は竹の節の部分。若竹は節部分に蝋分が付いちょって白くなっています。これが古くなるにつれて白い部分がなくなり黒くなってきます。二つ目は、竹の色合い。新竹は青々とした色合いなのですが、これが歳を重ねるごとに白っぽくなり、8年竹くらいになると斑模様になってきます。三つ目は、竹の生え際の違いです。今年生えた竹には竹皮が根元に残っちょります。二年目あたりまで残りますが、それ以降はなくなり、古くなるにつれ竹の根元の黒い部分が増えてくるがです。
実は、虎竹も、1年竹、2年竹は細工にできませんので、色づきのよくなってきた3年竹以上の竹を伐るがです。太さで判断できない竹の年令を見極め、虎模様の善し悪しで親竹として残していくのか、間引いていくのか考えながら竹林で伐採する山の職人の仕事もあまり表に出ることのない地味な技ではありますが、虎竹の里では、もちろんですが、竹細工や竹文化を守り続けていくために、残して継承していくべき熟練を必要とする竹林の職人技ながです。
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