北海道の「竹」

竹虎講演


実は、たまに色々な所に呼んでいただいたて、竹について、地方の活性化について講演をさせていただく事があるがです。田舎の小さな竹屋の話しなど誰かのお役にたつろうか?と、思いますけんど、都会の方にとりましたら希少価値があるがかも知れませんちや。


先日は、遠く北海道は帯広にまでお伺いさせてもらう機会がありました。大学生の時、自転車で北海道一周の旅行をしたがです。その途中に、ここに無料宿泊施設がありましたきに。沢山の仲間と一緒に2泊ほどした事がある思いでの街。けんど、車で走る街並みはうつろな記憶の風景や雰囲気とは随分と違うちょります。まあ、それも、そうですろう。10年一昔言うのに、あれから30年も経っちゅうがです。


竹虎四代目


「十勝」言うたら、まっことブランドですろう?十勝で育った牛でも、豚でも、鶏でも、生産された野菜や穀物でも、チーズやワインでも、とにかく、こじゃんと美味そうなイメージがありますぞね。いやいや、実際に美味いがです。農産物だけでなくて、海産物でも何でも、とにかく美味いです。ホテルの朝食でいただいたイカの塩からはあんまり美味しいので2回おかわりしましたぜよ。


そんな「食」に関わる方の多い地域ではなかったかと思いますが、竹も筍生産の農家さんもおるくらいですきに、農産物のひとつ。地方から都会への情報発信という事では課題は全く同じことやと改めて再認識させてもろうたがです。


北海道


さて、ところで北海道に竹が生えてない事をご存じでしたろうか?ここで、ポーズを取りゆう3人組の後ろをご覧いただいたら、広々とした雄大な山々には、すでに真っ白い雪。竹は南方系の植物ですきに、寒い北の大地は、びっくと(少し)苦手ながです。南国土佐育ちのワシと一緒ぞね。


なので、本州に旅行するまで竹は見たことがない方もおられます。タケノコもあまり食される習慣はないとも聞きました。周りに竹がないですきに、竹がわずか3ヶ月で20数メートルに成長する事や。木材などと違うて、たったの3年で製品に加工できるという事など、環境にも人にも優しい素材だとお話させて頂いても誰もご存じない方ばかり。まっこと(本当に)話しがいがあったがですちや。


北海道に北見という街があるがです。高知市と姉妹都市を結んじょりますので年に一度、高知物産展というのがあって3~4回、竹の売り出しにも寄せさせてもろうちょりました。


「ええっ!?竹かい?竹は珍しいなあ」


そんな事を言うてもろうて、次から次にお買い求めいただいた昔を思い出しながらけんど、今の若い人たちにとったらもしかしたら竹は、自分たちと距離のある見たこともない、触ったこともない、珍しい品になっちゅうかも。竹の伝統を伝えていく事の重要性を、また考える契機ともなりましたぞね。


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