虎竹の里も流石に寒くなっちょります。こう冷えますと足元は竹布五本指ソックスに竹皮スリッパでは、早朝など外に出にくい事もあるがです。けんど、日中はぽかぽかと暖かくなってきますきに、やっぱり履きなれた鼻緒の履き物がサッと引っかけて出かけるには便利ぞね。
ところで、竹虎には虎竹や竹皮の下駄をはじめ、何種類かの下駄を販売させていただいちょります。その中に「焼き磨き」と言われる木下駄の製造方法があるのです。桐材は昔から軽くて吸湿性があり、高級下駄の材料として多用されてきた木材ですが、この桐材などの台をバーナーで黒くなるまで焼いていきます。結構、煙などもあがって、
「ありゃあ?燃えゆうがではないですろうか?」
下駄メーカーさんでの製造工場で拝見した時に、ちょっと見ただけでは、そんな風に思った事もありますが、竹虎でも竹垣用の焼板や園芸用の焼柱など製造する時にはまるで燃えているように煙が上がりますので実は大丈夫ながです。
さて、焼き上がって真っ黒くなった下駄の台ですが、これがどうやって、美しい焼き味のある木肌の色になるかと言うとまさに「焼き磨き」と呼ばれる通り、ハケ等つかって焼き目部分を磨いていくのです。自然素材が相手なので竹と同じく木も同じ温度の炎でも、こじゃんと焼けていたり、そうでもなかったり色々だから、高速回転するハケにあてがう職人さんも、一足、一足、調節しながらの手仕事となります。
只今、製造中の八割BLACKは、今までの八割下駄をご愛用のお客様のご意見、ご感想を参考に、何点かの改良を加えちょります。更に履きやすく、格好のエイ八割になったと思いよりますが、この下駄の桐材は藁縄磨きぞね。藁縄のゴツゴツとした、それでいて柔らかい素材感が新しい八割BLACKの台を男前に輝かせてくれるがです。
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